指間炎の原因を探る。(3)耐性菌、その後の治療[犬の皮膚炎]



ゴールデン・レトリーバー セナの指間炎・包皮炎などの皮膚炎を治すために、動物病院を変えたのは2016年3月のこと。抗生物質を使っても皮膚炎がなかなか改善しなかった理由の1つは、薬剤耐性をもった耐性菌にありそう。ということが検査の結果、わかりました。

  • 長引く皮膚炎の原因を突き止めるために行った、細菌検査に関する最初の記事はこちら↓

指間炎の原因を探る。(1)細菌・真菌感染の検査[犬の皮膚炎]

  • 細菌培養検査の結果。耐性菌が検出された記事はこちら↓

指間炎の原因を探る。(2)多剤耐性菌が原因だった?[犬の皮膚炎]

  • ゴールデン・レトリーバー セナの皮膚炎に関する記事一覧はこちら
薬剤耐性菌を、抗生物質でやっつけた

耐性菌に効く抗生物質を調べた上で、強力な抗生物質ホスミシンを約2週間半のみました。そして、指間炎などの皮膚炎に最も悪さをしていたであろう耐性菌がいなくなりました。

▼【細菌培養検査の結果】抗生物質ホスミシン飲用後

前回検出された3種類の細菌、その中には薬剤耐性菌もあったのですが、見事にやっつけることができました。まずは、第一段階としてほっとできるところ。

2回目の細菌培養検査の結果

犬の皮膚炎細菌培養検査
耐性菌がいなくなった一方で、最初の細菌培養検査では検出されなかった菌が検出されました。

  • 細菌培養検査(1回目)の結果に関する記事はこちら

検査結果シートには1種類の細菌、Acinetobacter(アシネトバクター)が検出されたと記載。アシネトバクターは、前回の検査時には検出されていない菌です。


▼新しく検出された菌への治療は、どうする?

動物病院からの電話連絡で、細菌培養の検査結果を受けました。耐性菌はいなくなったものの、新しい菌が検出されたことに今どう対処するのか。

今後の治療を、獣医師と電話で相談

動物病院

皮膚炎の治療は、近所の動物病院ではないため、通院できる週末まで今飲んでいる抗生物質ホスミシンの服用を続けるのか?中止するのか?という判断が必要です。

念のため、抗生物質ホスミシンを飲み続けるのか

獣医師は、念のために週末までの間(更に5日間位)抗生物質ホスミシンを飲んでおいて下さい。と。理由は、抗生物質ホスミシンは強いので、大体の細菌に効くから、です。

この時、セナは、強力な抗生物質ホスミシンのせいで体重減少をするほど、ひどい下痢をして、食事量もまともにとれていません。”念のため”で抗生物質を飲み続けることが本当に必要なのだろうかという疑問が湧いてきました。


▼抗生物質をやめたい、と相談しました

抗生物質の投与を少しでも少なくしたかった為、『現時点で、検出された菌に効くかわからない抗生物質は、できる限りあげたくないです』と獣医師に相談。

実は『今回の細菌培養検査で検出された菌があれば、どの抗生物質が効くのか(薬剤感受性試験)という検査も一緒にお願いします』と、獣医師に前もって依頼してあったのですが、獣医師が検査に出すのをすっかり忘れていたことが判明。そして、『念のために来院できる週末までの間(更に5日間位)抗生物質ホスミシンを飲んでおいて下さい』という回答になった、という経緯があります。


▼抗生物質ホスミシンは、新たな菌に効かなそうだと・・・

幾度となく『今飲ませている抗生物質のホスミシンは、新たに検出された菌に効くのですか』『検出された菌に効くかわからない抗生物質は、できる限りあげたくないです』と、獣医師に繰り返して伝えた結果、セナが現在飲んでいる抗生物質ホスミシンがアシネトバクターという新たに検出された菌に効くのか、検査機関の専門家にまずは聞いてくれました。

抗生物質ホスミシンは、強めの抗生物質

犬の皮膚炎抗生物質ホスミシン

そして、検査機関の専門家から『薬剤感受性試験の結果を待たないと、確実なことはいえないものの、抗生物質ホスミシンはアシネトバクターという菌に効かない可能性の方が高い』という回答が返ってきたと、獣医師から電話連絡をもらったのです。

▼抗生物質ホスミシンは中止して、週末まで様子をみることに

このような獣医師とのやりとり、経緯を経て、抗生物質ホスミシンの内服薬は中止となり、新たに検出された菌アシネトバクターの治療方法については、週末の通院時にを相談することになりました。

抗生物質で、セナの体調は悪化していました

ゴールデン・レトリーバー セナの状態は食欲はあるものの、抗生物質で下痢をしており、食事もまともにあげられない状態。食欲はあるので食べたそうにする、あげるとやはり食べるのですけど、消化ができず全部出てしまう感じでした。その為、消化に負担にならない量までドッグフードの量を減らしていました。

この時、アレルギー除去食で様子をみていたこともあり、ドッグフードをオリジンに変えたばかり。オリジンドッグフード以外はあげない期間でしたので、手作り食でなんとか消化の良いものを・・・、ということもしてあげられない。食事量も足りてないので、どことなく元気がなく疲れやすい、そんな印象もありました。

こうした中、更なる体調悪化を招く恐れのある、かつ、効果のわからない抗生物質は何としてでも排除したかったのです。

 

アシネトバクターという菌はどうやってやっつける?

耐性菌を殺すための抗生物質ホスミシンで下痢が続き、体重減少もしていたセナ。新たに検出されたAcinetobacter(アシネトバクター)という菌を退治する治療では、内服薬の抗生物質ではなく身体に負担の少ない軟膏の抗生物質を選択しました。

▼検査結果:抗生物質ホスミシンは、新たに検出された菌に効かないという結果でした

獣医師に相談をして、抗生物質ホスミシンを念のために飲み続けることはやめていました。そして、その後届いた薬剤感受性という試験結果を見てみると、今回新しく検出された菌には抗生物質ホスミシンは効かないことも分かりました。

どの抗生物質が、検出された細菌に効くのかを示したもの

犬の皮膚炎細菌培養検査FOM:抗生物質ホスミシン
(ー)は、検出された細菌に対して
抗生物質が効かないことを示しています

諦めずに聞いてよかった。何度も同じようなことを獣医師に聞いたり伝えたりすることは、少なからず気力のいることでした。ですが、疑問に思ったことは諦めずに聞いてよかった。この時、本当に心からそう思いました。抗生物質をあと5日間念のためと理由で投薬することは、セナにとって、とても大きなことだと思っていたのです。


▼抗生物質の内服薬から、負担の少ない軟膏へ変える

ゴールデン・レトリーバー セナは薬剤の影響でひどい下痢を続けていたこともあり、抗生物質の内服薬はこれ以上飲ませたくない。というのが、こちらの意向でした。幸いにして、新しく検出された菌に効く抗生物質入り軟膏がありましたので、内服薬から抗生物質の軟膏に変え、2週間程度指間炎・包皮炎部分に塗り続けることになりました。

軟膏だと、どうしてもエリザベスカラーが必要
ビクタスSMTクリーム 抗生物質の軟膏
ビクタスクリーム

これまで抗生物質は、犬であっても人と同じ薬を処方されることも多かったのですが、このビクタスSMTクリームは、動物用の抗生物質軟膏です。とっても伸びが良く、塗りやすいことに驚きました。この塗りやすさが、動物用軟膏の良さでもあると実感。評判のよい犬の皮膚炎軟膏のようですが、ビクタスSMTクリームは現在動物病院専売品です。

代わりに、ヒビクス軟膏というものがよく使われるようです。

【ヒビクス軟膏の通販店舗情報】

このヒビクス軟膏、いいよ〜なんていう声も聞くこともあり、ビクタスとヒビクスの違いや共通点などについてまとめました。『【犬の指間炎軟膏】ビクタスクリームとヒビクス軟膏の違い・共通点・購入先について

【犬の指間炎軟膏】ビクタスクリームとヒビクス軟膏の違い・共通点・購入先について[犬の皮膚炎]

最後に、今回動物病院への通院でかかった治療費です。

犬の皮膚炎にかかった医療費のまとめ

耐性菌治療の後、Acinetobacter(アシネトバクター)という細菌をやっつけるためにかかった治療費。及び、2016年3月以降、一連の皮膚炎治療でかかった医療費合計費用です。

▼今回の動物病院治療費
 
診察項目 診察費用
診察料 ¥1080
皮膚スタンプ検査 ¥1080
ディアバスター3錠 ¥972
ビクタスSMTクリーム5g ¥2160
合計金額(税込) ¥5292

ディアバスターは、動物用医薬品の下痢止め。商品情報はこちら

▼動物病院を変えたのち、
ここまでの皮膚炎治療にかかった医療費
 
2016年3月以降 通院 診察費用
1回目 ¥57132
2回目 ¥7344
3回目 ¥10206
4回目 ¥5292
合計金額(税込) ¥79974

皮膚炎治療のために、動物病院を変え、初回診療ではアレルギー検査なども行いましたので、高額医療費になっています。その後は、1回の通院で平均7,000円程度の治療費といったところ。

その後、ビクタスクリームの効き目

抗生物質入り軟膏ビクタスクリームの効き目はあり、ビクタスクリームを2週間つけ続けましたら、指間炎等皮膚炎の炎症はかなり治りました。ステロイドも少量入っているので、かゆみも多少収まっている様に感じます。

しかし、ビクタスクリームをやめると、指間炎の炎症がぶり返してしまうのですよね・・・。『一旦治っても指間炎の炎症がぶり返す』という状態を受けて、獣医師は結局アトピー性皮膚炎が大元の原因としてあるのではないか。と考えている様です。

指間炎が悪化した時の写真

犬の指間炎20160712

2016年7月中旬:目を離した時にエリザベスカラーが外れてしまって
気づいた時には、血がにじむ程指間を舐めて噛んでいました

 

皮膚炎を起こしているのは、指間炎などの四肢、包皮炎とお股です。記事投稿の2016年9月現在は、炎症はもう少し沈静化していますが、一進一退です。


▼ところで、なぜ、耐性菌が死滅した後にまた別の菌が・・・

今回の皮膚炎の治療は、細菌培養検査→細菌検出→抗生物質→細菌培養検査→別の細菌検出→抗生物質→・・・でした。同じような治療の繰り返しになると、まるでいたちごっこに感じてしまうものです。

『耐性菌がいなくなったのに、なんでまた別の菌が・・・?』というのが正直な感想です。

獣医師に、そのまま疑問をぶつけてみました。

耐性菌を殺すために抗生物質を使うと、耐性菌や他の菌、常在菌までもが死滅します。そうすると、それまでは何の悪さもしなかった菌が、優勢になることあるとか。その結果、今回の検査結果のように、前回までは検出されなかったアシネトバクターのような細菌が検出されるということが起こるそう。

そして、舐め壊したり噛んだりした部分は皮膚バリアが壊れたまま。皮膚バリアが壊れているから、一旦治っても皮膚炎が再発しやすい。という状態だとか。

ビクタスクリーム使用後の皮膚炎治療

ビクタスクリームをやめると、指間炎などの皮膚炎が悪化してしまう・・・でも、抗生物質の入っているビクタスクリームは、短期的に使う薬なので、使い続けることは良策とは言えません。

皮膚炎の完治はしていないものの、最初に通院した時のような、体液が出てしまうような皮膚炎からは抜け出しました。そこで、皮膚炎の治療は一旦、経過観察をすることにしました。

2016年9月 ゴールデン・レトリーバー セナ

ゴールデン・レトリーバーセナ20160907

経過観察といっても、何もしないのではなく、薬を極力抑えた方法でセナの免疫アップ・腸内環境を整えるなどに取り組むことにしたのです。


▼指間炎などの皮膚炎を経過観察するために

動物病院で獣医師と話した結果、下記の2つを使いながら皮膚炎の経過を見ることにしました。

【皮膚炎治療のサポート】

特に指間炎は、何も薬を使わないと悪化しやすい状態ではありましたし、相変わらず痒みは感じている様でした。そこで、スプレー式のステロイド薬を、どうしても痒がる時に使う。という方法をとることにしました。

このスプレー式のステロイド薬は、ステロイド内服薬・ステロイド軟膏薬と比較して皮膚への副作用が少ないそうです。


▼自宅で出来る皮膚炎ケアの開始

動物病院で皮膚炎の治療をしている間は、自宅ではセナに新しいサプリなどを試すことはストップしていました。あれこれ行うと、何が効いて、何が効かなかったのか判断が難しくなってしまうからです。動物病院での皮膚炎治療がひと段落を迎えたので、今度は日々の中で、自分たちで出来る自宅ケアを模索することにしました。

今回の記事は、2016年5月頃の皮膚炎治療を綴ったものです。その頃のセナの様子:『食物アレルギーの除去食中[2016年5月]G’s Family ゴールデン・レトリーバー セナ 成長の記録【1歳5ヶ月】

この後の指間炎治療は、新薬・アポキル錠の服用に続きます:『皮膚炎治療のため、期待の新薬アポキル錠を飲み始める【1歳9ヶ月】

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セナが使用した皮膚炎・下痢止めお薬情報一覧

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2 thoughts on “指間炎の原因を探る。(3)耐性菌、その後の治療[犬の皮膚炎]”

  1. 写真のセナくんとってもカッコいい♡
    Annie、左前脚左端の爪が化膿してて、この前病院に行き、今痛み止めや抗生物質を飲んでいます。今のところ下痢はしてないのですが…培養検査中です。
    お散歩の後の脚を洗うか…拭くか…悩んでいたんですが、洗ったらしっかりドライヤーを使って乾燥させた方がいいのかな…指の間までタオルドライしてたつもりなのですが、不十分だったかなぁ、とか。悩みます(/ _ ; )
    セナくんはどうされていますか?

    1. セナも少し大人になりました^^
      Annieちゃん、その後爪の状態どうでしょうか。細菌培養検査を行ってくれる病院で、安心ですね。

      お散歩の後の、セナの脚をどうやって拭くのか、結構試行錯誤しました。それに、散歩のあとの犬の足ふきどうするのか、獣医師によってもかなり意見違いました。今でも散歩ごとに、セナの脚や汚れ具合をみて決めていて、汚れていれば洗い、ペット用業務用ドライヤーで乾かし、そんなに汚れていなければタオルでさっと拭くだけにすることもあります。

      Annieちゃんの爪、お薬で少しでも早く良くなってね!

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