犬の下痢・軟便 犬の健康 犬の手作りごはん 胃腸が弱った時の葛湯・葛練り

【お腹の弱い犬に葛湯・葛練りを】下痢・軟便の回復簡単レシピ[犬の下痢対策]

【お腹の弱い犬に葛湯・葛練りを】
下痢・軟便の回復簡単レシピ[犬の下痢対策]

葛練り

犬がお腹を壊した時の食事に活用している葛湯・葛練りの簡単レシピ記事です。

ゴールデン・レトリーバー セナが1歳半の時から、犬の下痢・軟便時にそして消化器の粘膜保護・回復に良いという葛を食事に取り入れはじめました。

セナは子犬の頃からお腹の調子を崩しやすい方なので、軟便・下痢を治すために様々なことを試してきました。特に軟便・下痢になるとどんな食事がいいのか悩んでしまうことも多かったのですが、くず湯・くず練りを知ってからは軟便・下痢の時にも安心してあげられるものが増えて助かっています。

軟便・下痢の時に犬のお腹に負担にならないだけでなく、胃腸の回復を助けてくれる点が嬉しいです。

はじめてセナに葛湯をあげたのは、1歳5ヶ月の時のこと。この時、お腹の調子がとても悪く下痢・軟便がずっと続いていました。その時の様子は、月別成長記録「アレルギー除去食とアトピー診断」に書いています。

葛湯・葛練りはいくつかのコツさえ押さえれば作るのは簡単です。

この記事では、

◇葛湯/葛練りの作り方
◇失敗しない4つのポイント
◇犬にあげる際の分量目安
◇実際にあげている葛湯

について書いています。

早速具体的な葛練り・葛湯レシピを見ていきたいと思います。

 
 

葛湯と葛練りの簡単レシピ[犬用]

葛湯と葛練りの違い

葛湯と葛練りの違いは

さらっとした状態が葛湯とろみが強いものが葛練りです。

水と葛の割合によって葛湯・葛練りと変わります。

ママ、なにこれ?はじめての葛練り。

犬の下痢対策葛練り

不思議そうに、見つめるセナ。
でも、お腹が減ってるから、とっても気になる。

ゴールデン・レトリーバーのセナごはん

葛湯・葛練りの簡単レシピ

---葛の分量が多ければ葛練りに、

葛が少なければ葛湯に---

プレーン葛湯・葛練りの基本レシピ

犬用の葛湯・葛練りレシピなので砂糖は使っていません。

葛湯の基本レシピ
  • 葛・・・大さじ1 強 / 10g程度
  • 水(ぬるま湯)・・・180ml
葛練りの基本レシピ
  • 葛・・・大さじ2〜3
  • 水(ぬるま湯)・・・180ml
葛湯・葛練りの作り方(共通)
  1. 分量の葛を、水によく溶かす。葛が溶けにくい場合は、15分程度置く。
  2. 葛を溶かしたもの(1)を火にかける(中火〜強火)
  3. 透明になるまで絶えずかき混ぜる
  4. 透明になってきたら、少し火加減を弱めにする(一気に固まるのを防ぐため)
  5. 透明になったら火から下ろす

サイトや本によって、葛湯・葛練りレシピの水と葛の分量はばらつきがあるため、まずはどれか適当に選びその日その日に試しながら水と葛の量を調整する・・・という感じで葛湯・葛練りづくりを行ってきました。

(参考):葛練り・葛湯の簡単レシピ掲載サイト

葛粉の入手方法

葛湯に欠かせない本葛粉ですが、スーパーでは売っていないところも多く通販で取り寄せています。葛粉の中でも本葛粉を使うことをお勧めします。(本葛粉100%ではない葛粉も売っています)

実際に使っている葛粉は、国産で葛粉100%の本葛粉です。

では、具体的な葛湯・葛練り作りを写真付きで書いていきたいと思います。

葛湯・葛練りづくり

葛湯と葛練りの基本分量と工程を確認したところで、胃腸に優しい葛湯作りへ。

1. 分量の水に葛粉を溶かす

分量の本葛粉と水を鍋・ホーロー容器などに入れしっかりと溶かします。

今回作るのは水180mlに対して大さじ2程度の本葛です。

葛粉を大さじ2程度入れるとどちらかといえば葛練りに近い出来上がりになります。

水180mlに本葛粉大さじ2の葛湯作り

犬の葛湯レシピ

この時は直火が可能な琺瑯容器で作りました。もしセナが食べなかった場合、そのまま冷蔵庫に入れて冷やして自分で食べよう!・・・と思い琺瑯容器で。その時々で、琺瑯容器・鍋と使い分けています。【使用中】直火・冷蔵・冷凍OK。便利な琺瑯容器

本葛を分量の水に充分溶かす

犬の葛湯レシピ

2. 本葛を溶かしたものを火にかける

火の強さは中火程度です。

火にかけている時には混ぜることを忘れずに。

犬の葛湯レシピ

手を休めずに、混ぜ続けます。

犬の葛湯レシピ

すると部分的に透明な部分がでてきます。

一気に固まってしまいそう!と思ったらここで火を弱くします。

犬の葛湯レシピ

透明な部分が多くなってきました。

犬の葛湯レシピ

全体的に透明に!ここからは弱火であともう少し。

全体的に透明になってからすぐに火を止めずに10秒〜30秒程度更に火にかけると滑らかさが増します。

犬の葛湯レシピ

葛湯(葛練り)完成!

上記画像のように水180mlに本葛大さじ2で作ると、結構とろみがある出来あがりになります。

葛湯よりも葛練りに近い感じです。

もっとさらっとした葛湯にしたい場合は、水180mlに対して大さじ1強くらいで作ると良いと思います。

その時々で葛湯・葛練りのとろみを調整しているのですが、よく作る葛湯の分量がコチラ↓です。

最終的に落ち着いた葛湯レシピ
  • 水・・・200ml
  • 本葛・・・大さじ1と1/2 (12g程度)

とろみが強いと食べにくそうにしていたので、葛湯よりも少しとろみが強い程度の葛湯・葛練りレシピに落ち着きました。

ただ下痢がひどい時やほかの材料と混ぜるときは、とろみの強い葛練りにして消化器官内をより優しく通過するように、と本葛粉の分量を変えています。

 
 

葛と水の分量比による仕上がりの目安

葛粉に対する水の割合

何度か作っていくうちに好みの葛湯や葛練りの固さがわかってくると思うのですが、参考までに葛粉に対する水の割合と出来上がり目安を掲載しておきます。

葛粉1に対して
水の量(倍)
できあがりの状態目安
料理例
2倍 ~ 3倍つるんとして固い
料理例:葛きり
4倍 ~ 5倍伸びがあり冷めると弾力がある
型からつるんとはがれる
料理例:葛餅
5倍 ~ 6倍伸びがあり冷めると弾力がある
料理例:葛饅頭
8倍 ~ 10倍粘りはあるが、冷めた時の弾力は弱い
水だけで加熱した場合は型からはがすのが難しい
料理例:胡麻豆腐
15倍 ~ 18倍粘りよりもとろみがあるという感じ
冷めた時にスプーンですくうとその跡が一瞬見られる
料理例:葛湯
28倍 ~ 35倍とろみがある状態
野菜のあんかけに見られる固さ
料理例:あんかけ
65倍 ~ 200倍わずかにとろみがある状態。
料理例:ジュースのとろみ

※吉野本葛 本極堂のブログ『葛の使用量目安』より引用

葛粉に対してどの程度水をいれるかによって、葛湯から葛練りまで作ることができます。

葛湯・葛練りの作り方はとてもシンプル

このように葛湯・葛練りの基本の作り方はとても簡単です。

葛湯・葛練りともに水に溶かして火にかける。熱が加わると透明になるので、しっかりと透明になるまで火を加え続ける。

これだけの工程で作ることができます。

とても簡単に作ることができるのですが、はじめて葛湯・葛練りでは失敗したこともありましたので、葛湯・葛練りを失敗させないポイントを次にまとめました。

葛湯・葛練りを失敗させない4つのポイント

はじめて作る葛湯・葛練りで経験しやすいのが、ダマになってしまう/固まらないという失敗です。

犬の葛湯レシピ

( 1 ) 葛はできるだけ粉末状にしておく

微粉末の本葛の場合は、そのまま水に溶かしても少しかき混ぜればさっと溶けます。

一方で、固形の本葛の場合は、そのまま水に溶かすと時間がかかり溶けにくいです。そのため、分量の水に浸して15分程度置きしっかりと溶かすことが必要です。溶けにくい場合は、水ではなくぬるま湯を使うと早く溶かすことができます。

本葛粉が溶けきれないまま加熱してしまうとダマになってしまいます。

( 2 ) 葛を溶かすのは、お湯ではなく必ず水

本葛粉を溶かす時にお湯を使ってしまうと、お湯に入れた時点で葛粉が固まってしまうことがあります。ぬるま湯程度の温度でしたら固まることはありません。

本葛粉を溶かすのはぬるま湯か水と覚えておきましょう。

( 3 ) 一気に固まり出すので、絶えずかき混ぜる

葛湯にとろみがつきはじめるのが割と急なので絶えずかき混ぜている必要があります。

少し目を離して手を止めてしまうと底の方が固まってしまいますので要注意です。

葛粉を火にかけている時は絶えずかき混ぜて。

( 4 ) 中火〜強火で、熱をしっかり加える

熱が足りないと葛が固まってくれません。そのため、手早く葛湯・葛練りを作る際の火加減は、中火〜強火。但し、火加減が強すぎると急に固まってしまいますし、反対に弱火の場合は、とろみがつきはじめるまでに5分程度要しました。

葛湯を作るためにはしっかりと熱を加えることが必要。

電子レンジやポットで簡単葛湯・葛練りづくり

電子レンジやポットのお湯で葛湯・葛練りを作ることもできます。

矢印アイコン電子レンジでつくる葛湯の参考レシピ

ポットのお湯でも葛湯が作れます。

参考動画がこちら↓

動画によると、ポットのお湯の場合冷めるのが早いため器を温めておくという下準備が大切なようです。火を使わない分簡単ですが電子レンジやポットで葛湯や葛練りを作るのは少しコツがいるかもしれませんね。

今のところ葛湯・葛練りは火にかけて作っているので電子レンジでの葛湯作りはこれからの挑戦です。電子レンジで作ることができれば、旅行先でセナがお腹の調子を崩した時にも葛湯・葛練りを作ってあげられるので、試してみたいと思っています。

 
 

犬の大きさによって葛湯の量は変えたほうがいい?

基本レシピは「水180ml分の葛練り」でした。

これは、大型犬の分量なのか?

小型犬の分量なのか??

と最初は思いましたが、下痢で絶食の代わりに葛湯を食べさせるのであれば小型犬の分量だそうです。

本葛は大さじ1で30kcal程度しかありません。

大さじ2で葛練りを作ったところで60kcal。

カロリー的には小型犬の分量と考えて良いでしょう。

(参考1) 須崎動物病院の医師が回答

手作り食・犬の栄養学について複数の本を出版している須崎医師が院長を務める須崎動物病院のHPのQ & Aに『くず湯・くず練りの量は?』という質問がありました。

犬の葛練り・葛湯の量

下記、須崎動物病院HPのQ&Aより引用

【質問】

「くず湯」「くず練り」の量なんですが、 本に記載されている量は体重関係無しの分量なのでしょうか?それともある体重基本になってるのでしょうか?うちの子は65kgあるのですが、あの分量でいいのでしょうか?

【須崎動物病院の回答】

適当で結構です。本は基本的には10キロくらいの子を目安にしております。65キロの子は約4倍必要ということになります。ですが、きちんと決まった量をあげなければ、というものでもなく、その子に合わせて、「食べる量」をあげてください。
大きい子だと量は多めになると思いますが、「くず湯」「くず練り」だけの場合、あまり好んで食べない場合もあります。ドッグフードにのせるような場合も、量は適当で構いません。どちらかというと、絶食で胃腸を休ませることが移行プログラムの主な目的です。あまり気にせず、適当にやって大丈夫です。

「適当で結構です」というざっくりとした回答ですが、こうと決まっているわけではないのでそうとしか言えないのでしょうね。

持っている須崎動物病院院長の書籍に、葛練りレシピが掲載されていました。書籍内で消化器の弱っている犬へくず湯・葛練りのすすめを見た時、やっぱり葛って犬のお腹いいんだ。と安心したのを覚えています。また、書籍内では手作り食移行時に、葛湯・葛練りが勧められていました。犬の葛練り・葛湯について言及がある須崎動物病院院長の書籍

葛湯をあげる目安をもう1つ確認したいと思います。

(参考2) All Aboutコラム掲載 犬の体重別葛目安量

All Aboutのコラム「愛犬の胃腸疲れにおすすめ!くず湯のレシピ」に、犬の体重別葛湯の量が掲載されていました。

[犬の体重別]1日に与える葛湯の目安量
犬の体重出来上がり葛湯の量
1kg110g
3kg250g
5kg370g
7kg470g
9kg,570g
10kg620g
20kg900g
30kg1400g

allaboutでの葛湯基本レシピは、水200mlに大さじ1葛です

30kgのゴールデン・レトリーバー成犬の場合、上記表に従うと1日にあげる葛湯の量が1400gです(大さじ7杯分)。葛湯1400gといっても葛粉は大さじ7杯分なので約210kcalしかありません。

大型犬でも1日に葛湯を1400gを食べるのはかなり大変ですし多すぎる印象ですが、1回につき300mlの葛湯を1日5回あげるとしたら合計1500mlになります。

そう考えると体重との目安もあながち間違ってないかもとも、思います。

計1500mlは、お腹を壊している時など1日5回と小分けにしてあげることができるという前提です。一度に水分を多く摂り過ぎても吸収しきれませんので1回にあげる量は多くても300ml程度。1日3回だったら900mlになるわけで犬の状況ご家庭の状態に応じて総量は変わっていくと考えると良いでしょう。

では最後に、ゴールデン・レトリーバーセナの葛湯実食について書きたいと思います。

葛湯の実食と葛湯アレンジ

プレーンの葛湯

1番最初に作った葛湯は、何も余計なものを入れていないプレーンの葛と水だけのシンプルな葛湯でした。

はじめての葛湯に一口食べて『ん?何これ?』と。

お腹減ってるから気になるけど、進まないなぁという感じでした。

結局、葛湯にヨーグルトを少しかけてあげました。

はじめての葛湯にはヨーグルトをかけて

犬の葛練り・葛湯の量

セナを見ていると、何も入れていないプレーンの葛湯・葛練りは犬にとってもそんなに食べやすいものではないようです。

そのため、葛湯にヨーグルトやヤギミルクをかけたり、葛を溶かす水をチキンスープに置き換えたりして葛湯を食べやすくしています。

葛湯をアレンジ

かぼちゃ・鶏肉・しらす入りの葛湯

犬の葛湯レシピ・かぼちゃ

回復基調にある時や下痢まではいかない軟便の時などは、消化に良い食材を入れて葛湯を作ることもあります。

葛湯で下痢軟便が改善方向へ

はじめてセナに葛湯をあげた1歳5ヶ月当初(当時の成長記録)は、下痢・軟便を繰り返している頃でした。まさに藁にでもすがる思いで、葛湯を試したのです。抗生物質の連続使用などにより、腸内環境がかなり荒れていると思われたセナのお腹には、葛があっていた様です。すかっと、良いウンチになったわけではないのですが、便の変化をみていると葛に助けられている感じを受けました。

葛湯を毎日の食事に取り入れて

お腹の調子が不安定なことも多いため、お腹の調子が悪い時だけではなく毎日の食事にも葛でとろみをつけたスープをあげるようにしています。

葛をいれることで満腹感・腸内の保護・水分の摂取ができる、犬の身体にとって良い点が沢山なので当面はこのままあげ続けていく予定です。

1歳10ヶ月ゴールデン・レトリーバー セナ

2016年10月セナ

オススメの本葛粉

犬のための葛練り葛湯

記事内にも書きましたが、本葛の本来の効能を得るためにも葛粉は本葛粉を選びましょう。

葛粉や本葛粉の違いについては「知っておきたい葛粉の選び方】愛犬のお腹のために作る葛湯・葛練り。葛と本葛の違いって知ってる?」の記事で詳しく書いています。


この記事を読んだ人に読まれています
◇G's Family トップページに戻る◇

-犬の下痢・軟便, 犬の健康, 犬の手作りごはん, 胃腸が弱った時の葛湯・葛練り
-, , , , , ,