犬の健康 犬の咳/気管/呼吸器の治療・ケア

突然の咳と痰で動物病院へ。[犬の咳治療]

突然の咳と痰。動物病院へ。[犬の咳治療]

ゴールデン・レトリーバーセナ3歳8ヶ月

この記事は2018年10月15日に作成された記事です

ゴールデン・レトリーバーセナ3歳8ヶ月、2018年9月中旬のある夜突然咳をしはじめました。

最初は咳だと思わずに何か詰まっていて吐き出そうとしているような感じを受けました。でも、何も詰まるようなもの食べていないし、食事やおやつをあげた後でもないし、どうしたんだろう。と。

翌朝、その咳はひどくなっていてゼーゼーするようになってきました。朝起きて散歩に行く前から散歩中ずっとゼーゼーしている感じです。

家で静かにしている時も突然、ゼーゼーしだして何か吐き出したいように嗚咽のようなことをします。

その夜にはさらに咳がひどくなり、白い痰のようなものを吐き出すように。

痰を吐き出すと一旦ゼーゼーが落ち着く。でもまたしばらくするとゼーゼーと咳き込みはじめる。この繰り返しでした。

咳き込んでいる時の動画

この日はちょうど動物病院にいく予定の日でしたので咳の診察もしてもらいました。

 

犬の咳。動物病院での診察内容

まず最初に下記内容を問診にて確認がありました。

問診内容

  • 咳の詳しい症状
  • いつから咳き込みはじめたか
  • お腹は壊していないか
  • 食欲はあるか

問診の後、セナの心音確認へ。とくに雑音などはないようですが、「徐脈」だと。

徐脈とは、脈が遅いこと・脈が少ない状態を指します。

不整脈の症状ともされる徐脈です。

大型犬は小型犬より脈拍が遅いですが、「徐脈」というのは大型犬一般からしてもセナの脈が遅めだということです。

徐脈は大型犬には珍しいことではないようなのですが、徐脈の症状があるということは咳の原因として甲状腺の低下が考えられるので、咳が止まらないようであれば甲状腺低下を疑ったほうが良いという見立てでした。

まずは肺や気管支の炎症、心臓の大きさなどを確認するために、レントゲンを撮影することになりました。

レントゲン撮影

レントゲン撮影は2枚です。撮影料は6,000円。

大型犬のレントゲン

気管支に明らかな炎症は認められないものの、うっすらと白くなっている(炎症を起こしている)感じも受けるとのことでした。

大型犬のレントゲン レントゲン中央に写っているのがセナの心臓。肥大などは起こしておらず正常な大きさ。心臓の大きさは、レントゲンで見たときに身幅の半分程度であれば正常なんだそう。

ゴールデン・レトリーバーなどの大型犬は心臓病にかかりやすいといわれていますが、具体的には心臓肥大や拡張性心筋症の症状が多く、特に拡張性心筋症を患うことが多いそうです。

大型犬がかかりやすい拡張性心筋症とは

心臓の壁(筋肉:心筋)が薄くなってしまう疾患。左心房と左心室の壁が薄くなることで、心臓がドクンドクンと収縮する力が低下する。そのため、十分な量の血液を全身に送ることができる血流が足りない状態になる。

こうして一通りの診察を終えて、レントゲンによると気管支が少し炎症を起こしている可能性があるかもしれないことが分かりました。

咳は大きく2種類に分かれ、乾いた咳か湿った咳かという見方をまずはするようなのですが、セナの咳は湿性の咳でした。

 

次は、咳と痰にだされたお薬についてです。

犬の咳。動物病院で処方された薬

動物病院で処方された薬は2種類です。

  • ムコソルバン(去痰剤) 1錠 1日2回
  • ネオフィリン(気管支拡張剤) 1.5錠 1日2回

これらを1週間分です。

犬の咳と痰への処方薬

犬の咳処方薬

犬の咳というとまずは抗生物質などを処方されることが多いのではないかと思いますが、耐性菌のことを考慮して今回は抗生物質はなしで様子を診ましょうという判断をしていただき、安心できる診療内容でした。

肺炎ともなると抗生物質を使用しないわけにはいかないようなのですが、肺炎を起こしているわけではないので、できるだけ抗生物質を使わないようにという判断でした。

抗生物質を使うと、これまで必ずといっていいほど下痢をしてきましたし、獣医師がいう様に耐性菌の問題もあります。抗生物質はどうしても使わないといけない場合を除いては使いたくありません。

また、気管支拡張剤はステロイド剤であることが多いですがネオフィリンはステロイド剤ではありません。

前述にもあった様に、この2種類のお薬(気管支拡張剤や去痰剤)で咳が治らなかった場合、徐脈もみられたので甲状腺機能が低下していないか検査したほうがいいかもしれません。ということでした。

( 参考 ) 犬の咳の原因

  • 気管虚脱
  • 狭窄
  • ケンネルコフ
  • 気管支炎
  • 肺炎
  • 心臓病
  • 甲状腺機能低下
  • フィラリア症

咳の原因となる疾患は、気管支などの呼吸器疾患と心臓などの循環器疾患があります。

咳の治療にかかった医療費は次です。

動物病院での診察費用

項目費用
診察料1,800円
レントゲン2枚6,000円
処方薬(7日分)3,360円
消費税
合計11,160円

 

最後に、お薬を服用しての咳と痰の経過です。

 
 

犬の咳と痰。その後の経過

お薬を飲み始めると、まず痰を吐き出すことがなくなりました。

お咳は飲み始めでぴたりと止むというよりは、1週間かけてだんだんと症状が治っていきました。

1週間お薬を飲みきった頃は、まだゼーゼーとしていました。寝ている時の寝息がスースーではなく、ゼーゼーと聞こえてもいました。ゼーゼーがなくなったのは薬がきれて数日してからで、動物病院の診察日から2週間経つ頃には完全にお咳やゼーゼーとした呼吸も落ち着きました。

セナが咳をし始めたとき、原因としてフィラリア症だったり気管支炎が真っ先に思いついたのですが、循環器疾患やゴールデン・レトリーバーに多い甲状腺機能の低下によっても咳がでるということも知りました。

今回は、気管支拡張剤と去痰剤で咳の症状が治まったので、甲状腺機能低下の可能性は低そうです。

犬の咳は放っておいてはいけない症状といううっすらとした知識はありましたが、本当にその通りだと今回の症状や診断を通して感じました。

診断された徐脈については、今すぐどうこうということは無い様なのですが気になる点でもあります。

お咳、治ったよ!

ゴールデン・レトリーバーセナ3歳9ヶ月

 


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