あなたの犬は幸せですか?[犬のしつけ参考本]カリスマドッグトレーナー/シーザー・ミランの書籍
シーザー・ミランといえば、ナショナルジオグラフィックの番組で飼い主が手に負えない犬たちの行動を次々に直す、カリスマ・ドッグトレーナーとして有名です。そんなシーザー・ミランの書籍『あなたの犬は幸せですか?』を読みました。
シーザー・ミランは、飼い主が犬の(人から見ての)問題行動を起こしていると考えるので、人間がトレーニングを受け、犬はリハビリをする。そのようなスタンスを持つドッグトレーナーです。
シーザー・ミランは書籍内でこんなことを言っています。
どの犬も生まれたときは自然と調和して、精神状態も安定していると信じています。けれども人間と暮らすようになると、問題行動を増長させていくので。少なからず飼い主にも問題な点があるのではないでしょうか?
なぜ、シーザーミランの本を手にとったのか?
飼い主に問題あり。耳が痛いです。ゴールデン・レトリーバーセナ現在生後8ヶ月半、ここ2~3週間すごく服や手をを引っ張ったり噛んだりするんです。
遊ぼうよ!という感じに見えているのですが、真意はどこに?そして、噛む力もそれなりに強いのでなんとかせねばと思っています。もちろん、その都度怒っていますが、これも逆効果?なんだか興奮させている気がするのです。
注意した後は、もっと歯をあててくることの方が多いですから。無視などもしていますが、無視という方法が意味があるのかないのかイマイチわかりません。
子犬から成犬に近づいてきて、体力が有り余ってる気がします。まずは、もっと犬について知る必要があるな・・・と身にしみて、シーザー・ミランの書籍に手をのばしました。
『あなたの犬は幸せですか?』は、原本『Cesar's Way: The Natural, Everyday Guide to Understanding and Correcting Common Dog Problems』の翻訳版です。
『あなたの犬は幸せですか』原本
原本『Cesar's Way: The Natural, Everyday Guide to Understanding and Correcting Common Dog Problems』
Amazon USAでの評価★4.2、そして1,255件という口コミの数。日本ではまず見ないレビュー数ですね。英語だけでなく他言語でも翻訳出版されている、世界的に支持されている本でもあります。
シーザー・ミランから飼い主へのアドバイスにこんなものがあります。
――これまで多くの飼い主を見てきて、犬を飼っている人が陥りやすい間違いを一つ挙げるとしたら何ですか。
犬が人間と同じように考え、自分たちの言葉を理解するという思い込みです。犬は人間の子どものように論理的に諭すことはできません。自分の身の回りに今起きていることにしか関心が向かないので、たとえば1時間前の誤った行動を直そうとしても、理解することも関連付けることもできないのです。
犬を人間と同じように見てしまうと、飼い主は犬に愛情だけを与え続けます。そうした育て方をすると、犬はすぐに情緒不安定になってしまいます。犬に必要なのは運動、規律、そしてその次に愛情なのです。この順番が大事です。
犬は犬。犬と人間は見方も感じ方も違うということ。そんな当たり前のことなのですが、一緒に暮らしていると感情が入って少しづつ擬人化して犬に接するようになってしまう気がします。こちらは、National Geographicのインタービューにシーザーミランが答えているものですが、書籍内でもこのような犬に対する考え方を知ることができます。
もうすぐ生後9ヶ月になるゴールデンへの悩みから、シーザー・ミランの書籍を読むことにしたわけですが、実際に犬への接し方をみれる動画はやっぱりいいですね。DVDは『ナショナル ジオグラフィック ザ・カリスマ ドッグトレーナー シーザー・ミランの解決!子犬トラブル』などがあります。
『あなたの犬は幸せですか?』を読み終わりました。シーザー・ミランは、主従関係を基本としたリーダー論でドッグトレーニングを行うトレーナーです。
リーダー論というと厳格な上下関係、主従関係という考えが主で、マズルコントロールなどの力を使って分からせるような部分もあります。
しかし、シーザー・ミランのリーダー論考えは少々異なっており、『犬に力で対抗することは素人が行うと危険』とさえ言っています。
▼リーダーに必要なのは『穏やかで毅然とした態度』
犬を力でねじ伏せるのではなく、リーダーに必要なのはただただ『穏やかで毅然とした態度』と、シーザー・ミランは考えています。
犬は人のエネルギーを感じ取ります。だから、飼い主が安定していないと、犬も不安になり吠えてしまったり、緊張してしまったり、様々なストレスを抱えてしまうのです。
とても納得しました。
▼犬に必要なのは『運動・規律・愛情』の3つ
シーザー・ミランは、犬は人ではなく、犬である。という当たり前でもある考えを改めて伝えています。
そして、犬に大事なのは『運動・規律・愛情』の3つであり、この順番で与えることが大事だと言っています。動物としての充分な運動、そして、ルール、最後に愛情で良いとのことです。
シーザー・ミランが問題犬といわれる犬の行動を修正していくために、最初に取り組むことは運動、つまり散歩です。散歩を充分にさせること、特に活発な犬ほどしっかりと運動をさせエネルギーを発散させることを重要視しています。そして、多くの問題行動は運動不足によるストレスが引き起こしていると考えています。
シーザー・ミランは、リーダー論を元にドッグトレーニングを行います。しかし、書籍を読むとよくあるリーダー論とは少し異なることがわかりました。シーザー・ミランは、犬とのコミュニケーション能力にとても秀でているのだと思います。
シーザー・ミラン自身小さい頃から『周りと違う』と思ったそうです。その為、真似できる点と真似できない点が明確にあるのも事実ですが、散歩を増やす・運動を充分にしてエネルギーを発散させるなど、基本的なことはすぐに実行に移せます。
シーザー・ミランの書籍が日本語訳で新刊に。
2015年9月18日に、シーザー・ミランの新刊が日本語訳で出版されます。新刊『ザ・カリスマ ドッグトレーナー シーザー・ミランの犬と幸せ に暮らす方法55』。
2015年9月18日出版シーザー・ミランの新著
原本となる『Cesar's Way: The Natural, Everyday Guide to Understanding and Correcting Common Dog Problems』は2007年発売で、その後も英語等でシーザー・ミランの著書は多く出版されています。
原本『Cesar Millan's Short Guide to a Happy Dog: 98 Essential Tips and Techniques』相変わらずの高評価★4.6点、レビュー数316件
原本は幸せな犬に導く為の98の方法を提案していますが、日本語訳では55の方法になっており読み易い様に編集されています。
シーザー・ミランの書籍を読んだり動画を見たりしながらトレーニング方法を少しずつ紐解くと、犬を充分に運動させることが最優先だということがまず伝わってきました。犬が噛んだ時のその時対処も当然大事ですが、根本は運動をさせてストレスを溜めさせないこと。
繰り返しになりますが、シーザー・ミランの本の全ては真似できないかもしれません。でも、真似できることも沢山あります。
甘噛みに今悩んでいるのがこの本を手に取った1つの理由でありましたが、根本の原因に『エネルギーが余っている』という可能性が大いにあります。何と言っても、破壊王といわれるゴールデン・レトリーバーの子犬なのですから!
自分が好んで迎えたゴールデン・レトリーバーの子犬。自ら望んだゴールデン・レトリーバーとの生活。そして彼らが生まれ持ったエネルギーを充分に発散させてあげることは、とても重要なことだと書籍を通して再認識しました。
目の前の問題を解決しようと躍起にならずに、散歩の時間を増やし、外に連れ出す時間を増やし、刺激を増やし、飼い主の責任として運動をもっとさせようと思いました。
シーザー・ミラン参考書籍
あなたの犬は幸せですか 2006年出版
Cesar's Way: The Natural, Everyday Guide to Understanding and Correcting Common Dog Problems 2006年出版
ザ・カリスマ ドッグトレーナー シーザー・ミランの犬と幸せ に暮らす方法55 2015年9月出版
Cesar Millan's Short Guide to a Happy Dog: 98 Essential Tips and Techniques 2013年出版