犬の下痢軟便に整腸剤ミヤリサンはあげてもいいの?
【ビオフェルミンとの違い】
生後3ヶ月の子犬の頃、ゴールデン・レトリーバーセナが動物病院で処方された整腸剤は『ミヤリサン』という薬でした。
ミヤリサンという整腸剤は人の整腸剤として医薬部外品で販売されるほか、人の病院でも処方される整腸剤です。
犬にあげられる整腸剤ミヤリサンについてまとめた記事です。
目次
ビオフェルミンとミヤリサンの違い
ビオフェルミンとミヤリサンはともに整腸剤ですが、2つの整腸剤の大きな違いは菌の種類です。
- ビオフェルミンは乳酸菌
- ミヤリサンは、宮入菌という酪農菌(プロバイオティクス)の一種
です。
ビオフェルミンの方がCM効果などもあり広く知られている整腸剤で、整腸剤といえばビオフェルミンの方が馴染み深い人も多いのではないのでしょうか。
一方でミヤリサンも人の病院で処方されることもあり胃腸が弱い人に根強い人気があるようです。
これがワンちゃんとなるとどうなのでしょうか?
ビオフェルミンの整腸剤については『子犬が軟便・下痢の時、ビオフェルミンなど人間用の整腸剤を飲ませても大丈夫?』の記事で書いています
最初にかかった動物病院ではミヤリサンが処方されました
冒頭にも書きましたがセナが生後3ヶ月の時に動物病院で処方された整腸剤がミヤリサンでした。
子犬の時にミヤリサンが処方されました
ビオフェルミンを飲ませても大丈夫と獣医師から聞いていたものの、処方されるのはビオフェルミンではなくてミヤリサン。
それだったら、犬にはミヤリサンの方がいいのかな?そんなことを思いつつ、ビオフェルミンのほかにミヤリサンも自宅に揃えておくことにしました。
でも何で動物病院で処方された整腸剤はミヤリサンなんだろう?
獣医師に聞いても「ミヤリサンでもビオフェルミンでもどっちでもいいよ」って。
それ答えじゃないから・・・!
ミヤリサンについても詳しく調べていくと大事なことがわかりました。
ミヤリサンの特徴
ミヤリサンの大事な特徴とは・・・
ミヤリサンの宮入菌は、抗生物質と一緒に摂取しても死滅しないとされている
ということです。
ミヤリサンのHPでは、『抗生物質による下痢にも効能が認められており、抗生物質と一緒に摂取した場合も、宮入菌は腸に届くようになっている』と研究成果で記載されています。
ミヤリサン・抗生物質抵抗性とは
酪酸菌(宮入菌)製剤を各種抗生物質と同時に投与した場合においても、酪酸菌(宮入菌)単独投与と同様に腸管内において発芽、増殖することが確認されている。
ミヤリサンHPより引用 http://www.miyarisan.com/probiotics.htm
ミヤリサンとビオフェルミンの違い
残念ながら、診察の中ではビオフェルミンとミヤリサンの整腸剤の違いまで獣医師は分かっていなさそうでした。
この動物病院では整腸剤にビオフェルミンは揃えていない様で、整腸剤にはミヤリサンを。と、決めうちで処方しているだけのようです。
ビオフェルミンではなくてミヤリサンである理由は、もしかしたら、持ち合わせていないのかもとも感じました。
ただ、自分で調べていくとミヤリサンとビオフェルミンには、菌の種類だけでなく、抗生物質に耐えられるかどうかの違いがあることが分かりました。
抗生物質と一緒に飲ませるならミヤリサン
です。
これは、今後犬に整腸剤を自分であげる時に、知っていた方が良いことですよね。
薬局で手に入るビオフェルミンS錠は抗生物質下では死滅するとされています。
抗生物質とあげるならどちら?ビオフェルミンR錠とビオフェルミンS錠の違い[犬の下痢対策]
【医薬部外品なので動物病院以外でも購入できます】
さて、抗生物質による下痢にも効能が認められているミヤリサンですが、『ミヤリサン錠』と『強ミヤリサン錠』があります。
ミヤリサン錠は2017年に製造中止、再販予定はありません。
現在は『強ミヤリサン錠』のみとなりました。
ミヤリサン錠は2種類あります
ミヤリサンには、『ミヤリサン錠』と『強ミヤリサン錠』があり、2つの違いは下記の3点です。
『ミヤリサン錠』と『強ミヤリサン錠』の違い
- 錠剤の大きさ
- 1回に服用する錠数
- 宮入菌含有量
『強ミヤリサン錠』は粒が大きめの錠剤で数は1回に飲む錠剤の数は少なく、ミヤリサンは粒が小さめ錠剤なので必然的に強ミヤリサンよりも1回に飲む錠剤の数は多くなります。
ミヤリサン・強ミヤリサンの違い
ミヤリサン錠 | 強ミヤリサン錠 | |
---|---|---|
1錠あたりの宮入菌 | 10mg | 30mg |
成人摂取目安量(1回あたり) | 1~6錠 計10mg〜60mg | 1~3錠 計30mg〜90mg |
成人摂取回数 | 1日3回 計3~18錠 | 1日3回 計3~9錠 |
参考価格 | 630錠 ¥1,296 | 330錠 ¥2,592 |
上記の違いがある2つのミヤリサンですが、『ミヤリサン錠』と『強ミヤリサン錠』どちらを選ぶと良いのでしょうか?
迷った結果、強ミヤリサンを購入しました。
ミヤリサンと迷い、強ミヤリサンを選びました
動物病院でもらった整腸剤の名前は『ミヤリサン』としか聞かなかったので、市販の『ミヤリサン』にあたるのか『強ミヤリサン』なのかまではわかりませんでした。
迷いましたが、服用が少ない錠数で済むことを考えて強ミヤリサン錠を選びました。Amazonランキング整腸剤部門では、強ミヤリサンが1位です。
ミヤリサンを選ぶのか、強ミヤリサンを選ぶのか、両方服用しその違いを実感している方もいる一方で、違いが何となくはっきりしないところ。
もう一度ミヤリサンと強ミヤリサンの違いを確認してみると・・・
ミヤリサン・強ミヤリサンの違い
ミヤリサン錠 | 強ミヤリサン錠 | |
---|---|---|
1錠あたりの宮入菌 | 10mg | 30mg |
成人摂取目安量(1回あたり) | 1~6錠 計10mg〜60mg | 1~3錠 計30mg〜90mg |
成人摂取回数 | 1日3回 計3~18錠 | 1日3回 計3~9錠 |
参考価格 | 630錠 ¥1,296 | 330錠 ¥2,592 |
1錠あたりに含有される宮入菌の量、そして1回あたりの摂取量も強ミヤリサンの方が多い指示内容になっています。
一見すると、強ミヤリサンの方が整腸効果が強いかと思うところです。犬の整腸剤のために購入を検討したため、犬の胃酸は人よりも強いことを考えると強ミヤリサンの方がいいのかなぁと、漠然と思いました。
もやっとしていたので、製造販売先に直接問い合わせることにしました。
ミヤリサン錠・強ミヤリサン錠の違いとは・・・
ミヤリサン錠・強ミヤリサン錠の違いが明らかに
なんと意外にも
ミヤリサン錠・強ミヤリサン錠は宮入菌がほとんど変わらない
という回答が返ってきました。
強ミヤリサンの方がミヤリサン錠よりも効果が強いと書いてあるサイトも多いかと思いますが、実際に問合せをした結果なので、2つのミヤリサンはほとんど変わらない。というのが答えなのでしょう。
ミヤリサン製薬株式会社からの回答内容をまとめたのが下記。
ミヤリサン錠と強ミヤリサン錠の違いに関する正式な回答
- 製品中の菌量の表示は、製造時に添加する菌末の重量で表示することに
なっている - その後の製造工程で、菌が少しずつ死んでいく
- そのため、最初に添加した菌末の重量が異なっていても、最終的な生菌の菌数はほとんど変わりはない
- 基本的には錠剤の大きさで選んで大丈夫
つまり、
『ミヤリサン錠と強ミヤリサン錠は、最終製品となった段階では宮入菌の数がほとんど一緒になる』
だからどちら選んでも大きな違いはない
飲みやすさで選んでね
ってことです。
整腸剤の説明文書だけ読むと、強ミヤリサンの方が宮入菌の数が多い表示になっている為、てっきり整腸効果が高いかと思ってしまいました。
しかし、実際にはミヤリサンも強ミヤリサンも変わらないことが判明しました。
犬には、身体の大きさと好みでミヤリサンを選ぶ
ゴールデン・レトリーバーセナには、強ミヤリサン錠を購入しましたが服用錠剤数が少なくて済むために、これでよかったかなぁと思っています。
ミヤリサンと強ミヤリサンは犬の体重と好みで選ぶ
こんな犬に選ぶ | |
ミヤリサン | 一度に服用すべき錠剤数が多いので、おやつ感覚であげたい場合に 体重が軽い小型犬、中型犬・大型犬の子犬に |
強ミヤリサン | 一度に服用すべき錠剤数が少ないため、お薬が苦手な犬に 錠剤を割らずにあげることを考えれば、体重が10kg程度以上がひとつの目安 |
犬にあげる場合は体重で錠剤の量を加減する必要がある為、小さめの粒でかつ服用錠数の多い『ミヤリサン錠』の方が便利かもしれません。
整腸剤を犬にあげるタイミング
ミヤリサンの宮入菌は、乳酸菌よりも胃酸に対して強く抵抗性があります。ですが、一般的な乳酸菌は胃酸に弱く、胃酸の影響を受けないに越したことはありません。
犬に整腸剤をあげる場合は、腸まで出来るだけ菌を届ける為には、食後がベストなタイミングです。空腹時に飲む時は、少し食べ物を口にさせてあげてから、整腸剤をあげるとしっかりと腸まで生きたまま届くといわれています。
ビオフェルミンが効くか、ミヤリサンが効くは、人と同じように犬の腸内環境の違いや軟便や下痢になった原因で違います。
ミヤリサンはお腹にガスが溜まるというレビューも人の場合はありますので、お腹の様子を見ながら、もしくは抗生物質との飲み合わせを含めて決めていく、ということになるのでしょう。
犬は体重比の量を気をつける必要がありますが、基本的には整腸剤は害のあるものではありません。獣医師にも、自宅であげて大丈夫と言われたことから、安心してあげられる様になってよかったと思います。
動物病院にかかることももちろん大事なことですが、少しの体調不良は自宅で対処出来る様になっていきたいです。
この記事を読んだ人に読まれています