『お家に、帰ろう』〜殺処分ゼロへの願い〜
ふと手に取った本「お家に、帰ろう」。
表紙の犬の目が印象的....
こちらをじっとみつめるその目には、諦め、悲しみ、殺処分をしていく人への軽蔑さえ感じる。
人間の無責任という罪で消されるいのち。
殺処分の現場を目の当たりにした著者は、憤りとショックでその場に座り込んだまま立ち上がることすらできなかった。
そしてその怒りは、いつしか「殺処分ゼロ」を強く願う意思へと向かう。
絶望の淵から希望へとつなぐ「いのち」のフォトエッセイ。
写真家・尾崎たまき『お家に、帰ろう~殺処分ゼロの願い』
犬が好きな人なら、辛くて目を背けたくなるような現実。
でもこれは目を背けてはいけない現実。
保健所での殺処分。平成25年度の犬猫の殺処分頭数は、12万8千570頭。そのうち、離乳ができていない本当に小さな赤ちゃん犬の殺処分頭数、4千373頭。
令和2年になった今、殺処分頭数が現象したといっても犬猫あわせて3万2千743頭。
犬だけで5千635頭。
そのうち離乳前の赤ちゃん犬が1千051頭。
フォトエッセイが伝える殺処分の悲しみ
『殺処分ゼロへの願い』という副題の元描かれたフォトエッセイ。
本を開くと
保健所での犬たち猫たちの様子、そして、見るのも辛いのが殺処分前の犬の表情。
死が迫ってくることがわかる。
・・・そして、動かなくなった犬たち。
安らかに死ぬことさえ許されない。
最後はぎゅうぎゅう詰めにされ、数分間声にならない声をだして苦しむ。
どんなに怖くて、どんなに孤独か。
涙流さずして、見ることはできません。
辛い動画ですが、ニュース番組で殺処分の現場を取り上げた映像です。
ペットショップに行かないで。
もしも新しく犬を迎えるなら、救える命がある。
フォトエッセイ内には新しい飼い主をみつけた犬の写真もありました。
とても幸せそう。
動物愛護センターへ新しい家族を探しにきた方の心に響く言葉がありました。
ある日、たまたま通りかかったペットショップの子犬を見た子どもたちが、犬を飼いたいと言うようになったそうです。そこでお母さんは子どもたちに聞きました。
『明日殺されるかもしれないいのちと、お金を出して買ういのちとどちらがいいと思う?』
子どもたちは3人とも『明日殺されるかもしれないいのち』、そう即答したそうです。
ペットショップでお迎えしないで欲しい。
でも、あの子は?私たちが買わなかったらどうなっちゃうの?
と思うかもしれません。
ペットショップは売れるとまた、ただ入荷されるだけ。この仕組みがなくならない限り、これが永遠と繰り返されていきます。
まず消費者がペットショップで買わない選択をすること、これがとても大事です。
現に生態販売をやめるペットショップも少しずつ出てきています。
ペットショップにいる子犬、子猫可愛いです。
でも親はどこ?
その子たちの親は幸せなの?
そう考えた時、いつもいつもゾッとします。
親はただ子供を産むだけの道具として劣悪な環境にいるかもしれません。悪質ブリーダーは子犬生産工場、といわれたりします。
悪質なペットショップやブリーダーがなくなり、
飼い主に身勝手な理由で保健所に出してしまう責任放棄をさせないこと、
殺処分がなくなり、殺処分の施設がなくなることが一番の願いです。
保護犬の譲渡は、地域の保健所に。お住まいの地区で保護犬の譲渡を行っていない場合でも、近隣の地区で譲渡が可能な場合もあります。譲渡の前に譲渡説明会に参加必須にしている自治体も多くあります。全国の保護犬譲渡会の開催情報はこちら
参考リンク
- 犬猫の殺処分頭数(環境省統計)
- 写真家/尾崎たまき フォトエッセイ"お家に、帰ろう~殺処分ゼロの願い
"
- 写真家/尾崎たまき 公式HP