犬の皮膚炎緩和・消毒に、天然ひば油。優れた抗菌作用[犬の皮膚炎]
犬の皮膚炎を緩和する方法の一つとしてひば油が有効、犬の虫除けにもひば油が効果的と知り、ひば油について調べはじめました。すると、ヒバのアロマオイルは本当に良い面がありそうということがわかり、使い始めることにしました。(AEAJアロマインストラクター資格保持者です)
ヒノキ科の青森ひば
ひば油とは、青森ひばのエッセンシャルオイル
2016年に入りセナの包皮炎・指間炎などの皮膚炎が悪化し、現在まで皮膚炎の治療・改善に取り組んでいるところです。
2016年9月現在、以前と比べて皮膚炎はかなりよくなってきているものの、まだ継続的な治療が必要な状態。動物病院での皮膚炎治療だけでは限界を感じる部分もあります。
ゴールデン・レトリーバー セナ(1歳9ヶ月)にひば油を実際に使ってみて、薬と比較してしまえば効果は穏やかだけれども、確かに皮膚炎を沈静化させている感じがある。というのが今の実感です。
セナの皮膚炎治療経過 記事一覧はこちら
犬の皮膚炎の治療では、抗生物質を処方されることが多いのですが、セナは抗生物質の内服薬で大抵は下痢をしてしまいます。その上耐性菌が検出されたという経緯もありまして、何か自然由来のもので皮膚炎の治療をできれば、と思いセナの皮膚炎の緩和ケアとして自宅でアロマを取り入れはじめたのです。
青森ひば油の優れた抗菌効果が魅力
青森ひば油は犬の皮膚炎ケアだけでなく虫除けにも効果を発揮しますが、セナにとって青森ひば油の最も魅力的な点は、優れた抗菌効果です。
ヒバについて少し詳しくみていきたいと思います。
犬の皮膚炎を緩和するためにアロマオイルを取り入れようと思った時、すぐに「青森ひば油を使おう」とは考えつきませんでした。ヒバは日本特有のアロマ、和アロマともいわれるもので、アロマオイルとしてはメジャーではありませんが調べていくと犬の皮膚炎に効果的なアロマだということがわかってきました。
(アロマセラピーの本場はイギリスなどの欧州なので、日本特有のアロマは認知度が低くなりがちです)
日本の和アロマ・青森ひば油
from 青森ひば
青森ひばとは
青森ひばは、木曽ひのき・秋田すぎと並ぶ、天然の日本三大美林の一つ。そして、東北の厳しい風雪を耐え抜いた力強さを持つ天然木です。
青森ひばは、天然の日本三大美林
from http://watashinomori.jp
青森ひばのもつ優れた抗菌効果・虫除けの効果により、城や寺院などの建築材として古来より使われてきた歴史があるそうです。
青森ひば油の特徴:ヒノキチオールという有効成分
ヒノキチオールという青森ひば油の特徴成分が、優れた抗菌効果などを発揮させています。ヒノキチオールという名前から、どのヒノキ科にも含まれていそうに思える成分なのですが、青森ひば以外の日本のヒノキには、ヒノキチオールはほとんど含まれていません。
そのため、青森ひばと同じような抗菌作用を、同じヒノキ科のヒノキオイルなどで代用できるかといえば、そうではないのです。
【ヒバとヒノキの違い】エッセンシャルオイルの成分表で確認
アロマオイルを購入した時についてくる成分分析表でアロマの詳しい含有成分がわかるようになっています。(アロマオイルには、成分分析表が付いている場合とそうでない場合があります)
ヒバとヒノキ、似ているようで実際は異なるこの2つのアロマオイルを成分表で比較してましょう。
まずは、ヒバのエッセンシャルオイルから。
青森ひばエッセンシャルオイル
(生活の木)の成分表
有効成分ヒノキチオール 1.97%含有
と表記あり
次は、ヒノキのエッセンシャルオイル成分表
成分表に、『ヒノキチオール』という記載はありません
以上のように、青森ヒバには含まれていた抗菌効果のある有効成分ヒノキチオールは、ヒノキのアロマオイルには含まれていないことがわかります。
有効成分ヒノキチオールだけでもなく、ヒバとヒノキ、同じのヒノキ科のエッセンシャルオイルであっても、含まれている成分がかなり異っているのです。
アロマ専門店生活の木 アロマオイル
青森ひばの有効成分ヒノキチオールには抗菌効果がありますが、それは一体どういうものなのでしょうか。
犬の皮膚炎の原因として多いのが細菌感染ですが、青森ひば油は、他のアロマオイルよりも様々な種類の細菌に抗菌効果を発揮することがわかっています。
そして、青森ひばオイルは抗菌効果だけでなく、"耐性菌を発生させない"という特徴をもっています。ヒバに含まれる特徴的な成分、前述のヒノキチオールによるものです。
ゴールデン・レトリーバー セナも耐性菌による皮膚炎に悩まされたことがあります。抗生物質を使っても一向に改善をみせなかった皮膚炎・指間炎。原因を突き止めるための細菌検査で、耐性菌が検出されたのです。
検査結果に耐性菌が検出された時の詳しい記事:指間炎の原因を探る。(2)多剤耐性菌が原因だった?[犬の皮膚炎]
"抗生物質を使い続けると耐性菌が心配" とは、いうものですが、まさか本当に耐性菌が検出されるとは。この経験は間違いなく抗生物質への意識を変え、抗生物質(特に内服薬)が本当に必要な時以外は、可能な限り代替ケアを探るようになりました。
そんな中での、ひば油。
抗菌効果だけでなく耐性菌を発生させないというのは、とっても魅力的だったのです。
ひば油の抗菌効果は、広範囲の細菌に
ひば油は自然由来のものでありながら、とても多くの細菌の発育を抑制することができます。しかも、非常に微量で!
細かい細菌の話は少々難しくなりますが、一体どんな種類の細菌にひば油が効くのか次の表で確認することができます。
ひば油は様々な種類の細菌に効果的
"黄色ブドウ球菌を例にとると、1リットル中に青森ひば油が僅か0.8グラム入っていれば黄色ブドウ球菌が近寄ることができません。"
ほんの微量で優れた抗菌効果が発揮できる、これがヒバ油です。
(参考)抗菌効果を発揮するアロマオイルの種類
アロマオイルで抗菌性のあるものというと、ティートリーやペパーミント・ラベンダーなどが代表的。
ラベンダーのアロマオイルにも抗菌効果はある
ティートリーやラベンダーも、よく知られ、多くの用途に富み、かつ抗菌効果に優れているアロマオイルです。
それに対しひば油は、他のアロマオイルに比べ店頭に並んでいないことも多く、一般的には抗菌効果の高いメジャーなアロマオイルとは認識されていないかもしれません。ですが、実はとても幅広く高い抗菌効果を持つアロマオイルだったのです。
指間炎・包皮炎などの皮膚炎症部分に、消毒液・薬用シャンプー、動物病院で処方された抗生物質の軟膏、そして内服の抗生物質と、抗菌作用・殺菌作用のある様々な治療やケアをほどこしました。
▼処方される抗菌薬の継続使用は、犬の皮膚を痛め弱めることも
短期間で皮膚炎が改善する場合は処方される抗菌薬も効果的なのですが、セナのように皮膚炎が長期化をしはじめると、抗生物質での抗菌・殺菌は身体に負担になっていると感じました。
▼消毒液・薬用シャンプーの代わりに青森ひば油での足浴
そこで、薬と比較すれば抗菌効果は穏やかであるものの、長期的に使い続けられるアロマオイルを皮膚炎ケアに取り入れることにしました。そして、アロマオイルの中でも、耐性菌を発生させず・広い範囲の細菌に抗菌効果を示すひば油を選んだのです。
抗菌効果の高い、ひば精油
長期連用した場合に身体に負担がかかりやすい抗生物質とは異なり、犬の皮膚にさえ合えばひば油は安心して使えます。
【使用中】皮膚炎緩和にセナに使っている青森ひば精油はこちら
▼薬用シャンプーや抗生物質は、殺菌に必要
確かにひば油は、とても優れた抗菌効果を持っています。一方、殺菌効果となると薬用シャンプーや抗生物質などの力が必要なこともあります。使用中の薬用シャンプーは、フジタ製薬のクロルヘキシジンシャンプーです。
使用中の薬用クロルヘキシジンシャンプー
フジタ製薬のクロルヘキシジンシャンプーは、最初は動物病院で、その後通販で全く同じシャンプーを購入し、今も使い続けています。薬用シャンプーの割に穏やか、洗い上がりはふわふわ、そして効果的に皮膚炎の鎮静をしてくれる印象があり、重宝している薬用シャンプーです。
犬の指間炎・包皮炎などの皮膚炎に、使用中の薬用シャンプーはこちら
▼薬用シャンプーとひば油の併用
薬用シャンプーは、皮膚炎の緩和に効果的であると実感しているのですが、殺菌効果が高いので連続使用をすると皮膚への負担が比較的高いとも、感じています。そのため、薬用シャンプーの使用の一部を、ひば油使用に置き換え、併用をしています。
青森ひばって、どんな香り?
エッセンシャルオイルの中でも、青森ひばは、日本特有の和アロマといわれることも。青森ひばはヒノキ科アスナロ属なので、いわゆる檜の香りを連想してしまうのですが、檜風呂のような優しいウッド系の香りよりも、ヒバはもう少し力強い香り。
ヒバは、檜風呂よりもちょっとクセのある香り
檜と聞いて一般的に連想される香りは、ヒノキ科ヒノキ属のもの。青森ひばを檜と思って嗅ぐと、想像と違うと感じるかもしれません。
ゴールデン・レトリーバー セナの皮膚炎緩和のために、実際に使っている青森ひば油です。ひば精油を作る時にできる、ひば水も一緒に使っています。
青森ひばの産地でもある青森の会社が販売していること、ひば油が遮光瓶に入っていることから、選びました。
青森ひば精油は遮光瓶入りを
エッセンシャルオイルは、メーカーによって品質が大分異なるので、本当のところは生活の木などのアロマ専門店から購入を・・・と思っていたのですが、100mlなどの大容量アロマオイルを専門店から購入すると結構なお値段。そこで、現在のひば油に至りました。
※この中で、エッセンシャルオイルの成分分析表が付属しているのは、生活の木 のみです。
ひば油のアロマオイル 使用 注意点
アロマオイルを使う上での最も重要で基本的な注意点ですが、ひば油など全てのエッセンシャルオイルは、原液のまま肌に直接使うのではなく、必ず希釈して使います。
例えば、ひば油はセナの足浴に使うことが最も多いのですが、足浴では洗面器にぬるま湯を張り、ひば油を数滴垂らしよくかき混ぜてから使用しています。
薬用シャンプー・ひば油などを併用しながら、指間炎などの皮膚炎が少しでも沈静化できるように取り組んでいるところです。
犬の皮膚炎ケアに、アロマオイルを取り入れて
もし、セナの皮膚炎がかなり良くなったとしても、皮膚炎の予防や日々のケアにひば油を使い続けると思います。犬用品の洗濯時、すすぎ水の最後に垂らしたり、マット類やぬいぐるみを軽くひばをスプレーで吹きかけて天日干ししたり、虫除けアロマに使ったり、自分たちのお風呂に入れたり・・・ひば油1本あれば用途は様々。
犬のアロマオイルにひば油、新しく仲間入りです。
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