指間炎治療 犬の皮膚炎治療

指間炎の原因を探る。(1)細菌・真菌感染の検査[犬の皮膚炎]



診察料指間炎の原因を探る。(1)細菌・真菌感染の検査[犬の皮膚炎]

指間炎 肉球の間炎症

[指間炎]肉球の間が炎症を起こし
皮膚が赤く 毛は赤茶に変色

ゴールデン・レトリーバー セナが皮膚炎を治すために、動物病院を変えたのは2歳3ヶ月の時のこと。

それから3ヶ月経った今、包皮炎は以前より良くなりました。

陰茎・陰嚢の皮膚炎悪化。包皮炎に。[犬の皮膚炎]

指間炎は一旦投薬により好転したものの、その後再度炎症が悪化してきました。

それまで通っていた近所の動物病院では、なぜ皮膚炎になっているのか?という根本原因を探ることなく、目の前の炎症をなんとか抑えるために対処療法としての抗生物質やステロイド軟膏を処方されていました

しかし、一向に良くならない皮膚炎。

むしろ悪化していった包皮炎や指間炎の症状を考え、皮膚炎の根本原因を突き止め治療する為に動物病院を変えました

今回の記事では、ゴールデン・レトリーバーセナ2歳3ヶ月の時に動物病院を変え、指間炎の原因を突き止めるためにまず最初に行った感染症の検査内容・流れとその結果についてまとめていきます。

犬の皮膚炎の治療

まず最初に感染症を疑う

犬の皮膚炎の原因で最初に疑うべきことは、細菌などの感染源がないかどうか。

犬の皮膚炎が治りにくいと、アレルギーやアトピーと診断される場合もあります。

ですが、アレルギーやアトピーの診断の前には、まずは感染源がないかを検査し感染があれば排除しようと治療することが犬の皮膚炎治療において大事な1stステップです。

これが、犬の皮膚炎治療のセオリーだそうです。

犬の皮膚炎には、免疫機能の低下により常在菌が悪さをするもの、感染性があるもの、様々です。

周囲への配慮、安全に遊びに連れて行くためにも診断を受けることは大事なことです。セナの皮膚炎も、初期の段階で他犬への"うつる"という意味での感染性がない点については確認しました。

感染症による皮膚炎3つの原因

皮膚炎の原因となりうる感染源は大きくわけて、3つあります。

皮膚炎の原因/感染源
原因1 細菌感染・真菌感染
原因2 寄生虫感染
原因3 ノミ・ダニ感染

ノミ・ダニなどの感染で痒がっている場合も多いようで、フロントラインなどをしているか?というのは、最初に確認されました。

抗生物質を投与して治らない・・・と思ったら、ノミ・ダニが原因の皮膚炎だったということもあるそうです。ノミ・ダニについては、フロントラインをしており、以前の動物病院でも原因ではないと診断を受けていましたが、病院を変えましたので念のため診断です。

ここからは、セナが受けた4種類の感染症検査についてそれぞれまとめていきます。

 

検査1[毛検査]毛包虫症を確認する検査

細菌・真菌感染を検査する前に、毛検査というものを行いました。

ピンセットで指間炎患部の毛を抜いて、顕微鏡で拡大、ダニなどがいないかを確認するものです。

犬の皮膚炎 毛検査

毛検査では、毛包虫症(ニキビダニ、アカラス)の感染を確認できるようです。

毛包虫(ニキビダニ、アカラス)は体長0.2mm程度と極小の為、1度の検査では発見できないこともあるそうです。

毛検査の結果は陰性

毛ダニはいない、という診断です。

毛ダニ・寄生虫感染もないという結果を経て、細菌・真菌検査へと移りました。

犬の皮膚炎検査内容について詳しく記載のある動物病院HP:倉吉動物医療センター

 

検査2[皮膚スタンプ検査]細菌・真菌感染を診る検査

皮膚スタンプ検査とは

犬の皮膚病

細菌や真菌に感染しているかどうかを診るために、多くの動物病院で最初の診断で行う検査が『皮膚スタンプ検査』です。

押捺塗抹(おうなつとまつ)検査
(スタンプ検査)

病変部にスライドグラスを押しつけ皮膚表面の分泌物や細胞、微生物などを採取し、染色して顕微鏡でみます。
細菌やマラセチア(酵母様真菌)の感染、炎症性細胞、アレルギー性細胞、腫瘍細胞の有無などを調べます。
ペット保険アニコム

実際の皮膚スタンプ検査

動物病院によって多少方法の差はあるかもしれませんが、今通っている動物病院では、診療台で指間炎や包皮炎を患っている患部に直接セロハンテープを押し付けてペタペタと、採取していました。

その後、奥の部屋で獣医師が顕微鏡でみているようです。

実際染色までしているのか顕微鏡で拡大しているだけなのか、詳細な方法はわかりませんが、このスタンプ検査によって大まかな感染源を推測していました。

細菌によって形が異なる

皮膚炎を引き起こしていてる細菌によって形が異なるために、顕微鏡で拡大すると分かるようです。

大腸菌は細長く、マラセチア(真菌)はボーリングのような形、黄色ブドウ球菌は円形の集合体。

皮膚細菌犬の皮膚炎

細菌の染色まですると時間がかかるのでしょうか。

現在通っている動物病院では恐らく顕微鏡で拡大し、目視で確認できる範囲で細菌の大まかな種類を判断しているようです。

この辺りは、動物病院の診療方針や設備によるのでしょう。

結果は、皮膚スタンプ検査で採取し拡大した映像を見たところ細菌らしきものがあるという診断でした。真菌のマラセチアはいなさそうだという診断です。

今回皮膚炎の治療のために通っている動物病院は、ごく一般的な動物病院です。皮膚科専門や皮膚科に力を入れている病院でしたら、動物病院内で詳しい検査を行ってくれる可能性もあるかもしれません。

 

次は細菌培養の検査です。

検査3[一般細菌培養検査]何の細菌かを判別するための検査

動物病院内で行う皮膚スタンプ検査では、形や染色によって細菌がいるのかどうかを判断します。さらに詳細に、何の細菌が皮膚に悪さをしているか?を特定するためには、動物病院から外部検査検査機関に依頼をかけて"細菌培養"をする必要があります

犬の皮膚炎を引き起こす感染症の原因の中でも、真菌マラセチアは特徴的な形をしており先ほどの皮膚スタンプ検査で判別できることも多いため、培養検査まで行わないこともあるようです。

細菌の種類を特定するには細菌培養が必要です

犬の皮膚炎培養検査

犬の皮膚炎を引き起こしている直接的な原因が細菌・真菌ではない場合は、皮膚スタンプ検査で皮膚表面を採取し顕微鏡で拡大しても、当然ながら細菌・真菌は見えません。その場合は、皮膚炎の原因として細菌・真菌感染以外を疑うことになります。

ゴールデン・レトリーバー セナの場合は、皮膚スタンプ検査で採取し拡大した映像を見たところ、細菌らしきものがあると推測できました。

そのため、何の細菌が悪さをしているかを詳細に突き止めるために外部検査機関に細菌培養検査 (一般細菌培養同定検査)を依頼することにしました

 

最後は、細菌に効く抗生物質を特定する検査です。

検査4[一般細菌感受性試験]細菌に効果的な抗菌薬を明らかにする

効く抗生物質、効かない抗生物質

何の細菌が悪さをしているかを詳細に突き止めるために外部検査機関に依頼した細菌培養検査 (一般細菌培養同定検査)と同時に外部機関に依頼した検査が、一般細菌感受性試験です。

一般細菌感受性試験とは、細菌が検出されたのちにその細菌に対してどの抗生物質が効くのかを試して明らかにするものです。

一般細菌培養同定検査と一般細菌感受性試験、皮膚炎の治療でなければあまり聞くことがないでしょう。

初期段階の皮膚炎の治療では、一般細菌培養同定検査と細菌感受性試験を行うことは少ない様です。

ですが、セナは既にこの時点で抗生物質を2ヶ月内服、抗生物質の軟膏も塗っていました。

犬の指間炎治療アポキル記録2016年10月5日

こんなにずっと抗生物質を飲んでいるのに、なぜ効いてないの?

薬が合ってないんじゃない?

一体何の細菌か特定せずに、とりあえずの抗生物質って何?

という思いでいっぱいでした。

抗生物質を飲み続けても治らない皮膚炎、動物病院の診療方法に様々な疑問を抱いていたこともあり、細菌培養同定検査・細菌感受性試験という2つの検査を同時に行い、皮膚炎の原因を突き止めて更にきちんと効果のある抗生物質を特定してもらうことにしました。

(参考)皮膚炎の原因を突き止める微生物検査内容とは

聞きなれない一般細菌培養同定検査と一般細菌感受性試験とは、一体どのような検査なのでしょうか。

様々な動物検査を引き受ける株式会社LSIメディエンスから引用させていただきました。

一般細菌(好気)培養・同定

病変部から採取した細菌を発育させ種類を同定する検査。病変部から採取した細菌を培地上で発育させる。細菌を一種類ずつ分離し発育させるため数日の時間が必要。生化学的な性質などにより分類され抗生剤選択に有用な情報が得られる。なお塗抹等で細菌が確認されている場合でも、保存や嫌気性などさまざまな要因により細菌が発育しないことがある。

一般細菌感受性試験

病変部から分離された細菌に対し、有効な抗菌薬を明らかにする検査。培養同定により検出された菌に対し、抗生剤を作用させ効果を評価する。個々の症例に即した抗菌剤の投与を行う上で欠くことのできない検査である。

要するに、上記2つの検査は細菌を培養後特定(同定)し

そして、培養後の細菌に効く抗菌薬を試験して明らかにする(薬剤感受性の試験)

という検査内容になります。

 

犬の皮膚炎の原因を突き止めるための検査の流れ

動物病院内で皮膚スタンプ検査をしてから、細菌培養検査・細菌感受性試験を出すまでの流れはこのような形でした。

検査内容等
STEP1
動物病院
毛検査実施。毛包虫症検出されず。
STEP2
動物病院
皮膚スタンプ検査実施。
STEP3
動物病院
何らかの細菌がいそうであると判断し詳細な結果が必要な場合、検査機関に提出するための患部の細胞を採取。
STEP4
外部検査機関
一般細菌培養同定検査
一般細菌感受性試験を依頼
STEP5
外部検査機関
(一般細菌培養同定検査)[培養]数日〜1週間程度かけて細菌の培養を行う
STEP6
外部検査機関
(一般細菌培養同定検査)[同定]培養した細菌をもとに、何の細菌か特定を行う
STEP7
外部検査機関
(一般細菌感受性試験)[薬剤試験]検出された菌に効果的な、抗菌薬を特定する
STEP8
動物病院
検査結果を受けて、細菌に効果的な抗生物質の投与を検討する

 

ここまでの感染症検査結果のまとめ

皮膚炎の原因である感染症については、寄生虫・ノミ・ダニは陰性。
細菌感染の疑いありというところまで分かりました。

【疑う原因1】
細菌感染・真菌感染
細菌感染の疑いあり、真菌感染なし
【疑う原因2】
寄生虫感染
感染なし
【疑う原因3】
ノミ・ダニ感染
感染なし

また細菌培養検査と同日に、食物アレルギー検査も行いました。

細菌培養検査や食物アレルギー検査の検査結果が出るまでに、1週間前後かかるとのことで抗生物質とステロイド剤が処方されました。

指間炎の炎症度合いが強いため、ステロイド剤も短期的に処方されることになりました。

 

食物アレルギー検査2種の実施依頼

犬の皮膚炎検査

細菌感染検査の他に、食物アレルギー、ダニ・ノミ・ハウスダストなどのアレルギーも含めたアレルギー検査を2種類行いました。

細菌検査の結果を待ち、治療をしてそれでもダメなら食物アレルギーの検査を・・・と、順々に行っていく方法もあります。

しかし、当然ながら順々に検査を行っていけば時間がかかります。

一方で、皮膚炎の原因が細菌感染だけであれば、効果的な抗生物質で治療が完了するかもしれません。

食物アレルギーの検査が不要の場合もありますので、ここは判断の問題になりますが、今回はこれ以上時間的をかけたくなく出来る限りの原因を除去したいという気持ち、もし治っても再発を防止したい、そのような考えから食物アレルギー検査も同時に行うことに決めました。

 

皮膚炎の原因を調べる為の検査でかかった医療費

アレルギー検査2種行うと高いです、という説明があった上で検査を行うことを決めたので納得の上ではありますが、

それでも合計で6万近くかかると・・・うーん、犬の医療費って高いですね。

診察内容 診察費用
診察料 1,080円
カルテ作成料 540円
[抗生物質]ビクタス80 6,048円
[ステロイド剤]プレドニゾロン5 3,024円
アレルゲン特異的IgE検査 10,800円
リンパ球反応試験 28,080円
皮膚スタンプ検査 1,080円
毛検査 1,080円
細菌培養
(培養同定後薬剤感受性試験)
5,400円
合計通院費用 57,132円

アレルギー検査を含めた医療費は5万7132円と高額になってしまいました。

そのうち、今回の記事で書いた皮膚スタンプ検査・毛検査・細菌培養検査・薬剤感受性試験の検査費用合計金額は7,560円です。

ペット保険加入していれば、多少は保険が効く診察内容だった様です。

今回の動物病院は、ペット保険の窓口精算に対応しています。

ペット保険にこれから加入することがあれば、窓口精算できるペット保険が便利そうです。ペット保険の後日精算って、手間がかかり忘れてしまいそうですよね・・・。

たくさん採血して疲れちゃった
よく頑張ったね

犬の皮膚炎

 

後日、細菌培養と抗生物質試験の結果を受ける

動物病院内での皮膚スタンプ検査で、マラセチアなどの真菌感染の疑いなし・細菌感染の疑いありという結果が得られ

より詳しい細菌を調べるために外部機関に依頼した一般細菌培養同定検査と一般細菌感受性試験。

約1週間後に、一般細菌培養同定検査と一般細菌感受性試験の結果について、動物病院から電話連絡がありました。

細菌培養同定検査 及び 細菌感受性試験の検査結果

細菌培養検査結果犬の皮膚炎

3種の細菌が検出され、その中には効く抗生物質が限られている耐性菌がありました

こうして、新しい動物病院での皮膚炎の治療がはじまりました。

指間炎の原因を探る。(2)多剤耐性菌が原因だった?[犬の皮膚炎]


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