-イヌやネコを愛する人のための- ペットの自然療法事典
[犬の手作りごはん参考本]
今から丁度1年前の2016年7月・ゴールデン・レトリーバーセナ1歳半の時、ドライドッグフードに手作り食を加えるようになりました。
手作り食に生肉を加え始めたのは2016年12月末。
2017年4月には完全手作り食へと切り替えました。
そんな生肉食へのきっかけを作ってくれたのが、今回の記事でレビューする書籍『-イヌやネコを愛する人のための- ペットの自然療法事典』です。
2017年4月 大型犬の手作りごはん。
ゴールデン・レトリバー セナ2歳4ヶ月 体重28kg
犬の手作りごはんの書籍
犬の手作りごはんのために最初に読んだ本は、犬の手作りごはんといえば・・・という程よく知られている須崎動物病院院長が書いた書籍でした。詳しい書籍の内容についての記事は犬にあげていい食材・あげてはいけない食材と栄養価についての本
『犬が食べても大丈夫な食材、食べられない食材』という、手作りごはんには欠かせない基本的なことを知ることができた本です。
ただ、須崎動物病院 院長の推奨する犬の手作りごはんは『水分たっぷり具沢山おじや』。セナは、米系・麦系の食物アレルギーがあるので、穀物を使わない手作りごはんが必要でした。
そこで、犬の手作りごはんに関する他の書籍を探すことにしました。その結果辿りついたのが、『-イヌやネコを愛する人のための- ペットの自然療法事典』でした。
唯一のペット家庭医学書ナチュラルメディスンの決定版
事典というだけあって、約4,000円とお値段張るのですが、値段に見合う程、犬の健康・食事・自然療法についての内容が詰まっている本です。
元々セナを手作りごはんに切り替えようと思ったのも、皮膚炎の改善のため、軟便下痢ばかりをどうにかしたい、身体を丈夫にさせてあげたい、と考えたからです。
手作りごはんを自然療法の一環として捉えることができるこの本は、目的に合致していましたし、実際に読んで見ると知っておいて損のない、むしろ犬と生活を共にする者として知っておくべき内容(でも日本の動物病院では知れないようなこと!)ばかりでした。
まず最初に、著者・監修者についてです。
ペットの自然療法事典の著者・監修者・目次
『-イヌやネコを愛する人のための- ペットの自然療法事典』の著者は、オーストラリアの獣医師フジェール,バーバラ(Fou´ere,Barbara)です。
原本:Pet Lover's Guide to Natural Healing for Cats and Dogs
著者フジェール,バーバラ氏は、西オーストラリア州のマードッグ大学獣医学部で学んだ後、動物補完医療のみならず、動物用ハーブ療法・鍼療法・栄養学等の大学院課程修了。
オーストラリアで補完獣医療を実践する先駆者獣医師の一人。
著者:フジェール,バーバラ(Fou´ere,Barbara)経歴
BVSc(獣医学士)、BVMS(Hons)(獣医内科・外科学士「優等学位過程」)、MODT(組織開発・訓練学修士)、BHSc(Comp Med)(健康科学士「補完医療」)、CVA(IVAS)(認定動物鍼療法士「国際動物鍼療法学会」)、CVCP(認定動物カイロプラクティショナー)、CV Herb Med(認定動物ハーブ療法士)、Post Grad Dip Herb Med(ハーブ療法修士課程終了相当資格)、動物植物療法協会(Veterinary Botanical Medicine Association)会長、オーストラリア動物鍼療法協会(Australian Veterinary Acupuncture Association)会長。診療歴は18年。家族と共にシドニーのハーバーブリッジやオペラハウスの近くに暮らす。
書籍の監修は、日本獣医師会前会長
『-イヌやネコを愛する人のための- ペットの自然療法事典』の監修は、山根義久氏。日本獣医師会 前会長であり、2009年まで15年間に渡って東京農工大学教授の獣医学科で教鞭を振るっていた方。現在は、東京農工大学の名誉教授でもあります。
現在は、鳥取県にある倉吉動物医療センター山根動物病院・米子動物医療センター(こちら)の会長をされています。
日本獣医師会で会長を務められた山根義久氏が、『-イヌやネコを愛する人のための- ペットの自然療法事典』について次のように語っています。
本書の監修にあたって先ず驚いたことは、これまで目にしたことのない内容がぎっしり詰まっていることである。
本書の特徴は、我が国ではあまり実施されていない自然療法を中心としたものであるが、今後ますます動物の健康のために注目される分野であるといえる。
また、本書は従来の同様の他の書籍と異なり、決して現代西洋医学で使用されている薬、ワクチンやペットフードを否定しているものではない。
本書は獣医師の仕事を代替するものではなく、どのようにしたら少しでも良い治療が受けられるかを知っておくための一手段であることを忘れてはいけない。
獣医師が、一度は目を通す価値のある本といえる。
『日本語版監修にあたって』より抜粋
この本の素晴らしさは、上記文言に集約されているといって良いかもしれません。動物への自然療法が未だ盛んではない日本において、今後注目される分野であり、少しでも良い治療のための一つの手段であると。
まさに、本の意図するところは、飼い主と獣医師の架け橋。飼い主に向けた本であるにもかかわらず、日本獣医師会会長を務めた方が、獣医師に向けて一度は目を通す価値がある、とおしゃっている程なんです。
原本は2006年出版、日本語訳は2010年出版。
次は書籍の目次を見てみましょう。
目次:-イヌやネコを愛する人のための-ペットの自然療法事典
目次
- ペットのための自然療法
- 疾病を予防し健康を増進するための具体的な方法
- ホリスティック栄養
- 栄養補助食品(サプリメントの利用法)
- ハーブ
- 理学療法
- ホメオパシー
- バッチフラワーレメディとアロマセラピー
- 自然療法の進め方
- 解毒(デドックス)プログラム
- 皮膚と被毛
- 消化器系
- 耳と眼
- 免疫系
- 腺組織の疾患
- 筋肉、骨、関節
- 脊髄および神経系
- 心血管系および呼吸器系
- 尿路・生殖器系
- 問題行動
- 最適な健康状態の維持
- 付録:除去食
自然療法が盛んなオーストラリアの獣医師が書いた書籍ですから、ハーブ類の掲載も多いです。ただハーブ類は手に入りにくいため実践にはハードルが高い部分もあります。
もちろん、取り入れることができる方法も多くあり、軟便・下痢の時の食事療法はこの本から学び実践していました。
セナが軟便・下痢の時に作るチキンブロスは、この書籍を参考に作っています
チキンブロスの他に、この書籍を参考にして始めたことの1つが生肉食です。
この本が、犬の生肉食開始のきっかけに
手作り食の中でも『生肉食』に挑戦しようかなと考え始めた最初のきっかけはこの本です。
犬にあげるご飯のテーマの中に、加熱肉・生肉についても言及されており、犬の手作りごはんを考え始めると気になってくる『骨』のあげ方など、とても興味の引く内容が書かれていました。
加熱食から生鶏肉食へ
ネットでの検索情報では、生肉食・骨のあげ方・そもそもあげても大丈夫なのか等々の確かな情報は得ることはできませんし、もし書いてあったとしても良し悪しは鵜呑みにできないなと思っていました。
かといって、なかなか生肉食はおろか、手作りごはんにさえ理解のある獣医師に巡り会えない・・・そんな時に、この本に出会って、ここに欲しい情報があった!と思いました。
例えば、生の手羽先を犬にあげても大丈夫か?など
知りたい犬の食事のアレコレが、この書籍にはありました
もちろん、この書籍に限らず本の内容が全て正解とは限りません。
しかし、少なくともWEBの情報より信憑性・信頼性は高いでしょう。
こちらの書籍で、犬の生肉食についてのメリット・デメリット・注意点を総合的に理解することができたのでとても為になりました。
そして、まずは生肉食を信じて実践してみよう、あとは犬の個体差・セナに合っているかどうかだ。と思えたのです。
ペットの自然療法事典 レビューまとめ
犬の健康を基本から知ることができる本
ペットの自然療法事典
オーストラリア獣医師が執筆・日本獣医師会前会長が監修
この書籍を手に取った当時、丁度セナの皮膚炎がアトピー性皮膚炎ではないかと動物病院で診断された時でした。
本当にアトピー性皮膚炎なの?と、動物病院での治療に行き詰り感を覚えていました。
西洋薬を投薬する他に皮膚炎を改善する方法はないのか?という思いでいました。
犬の健康のために家庭で出来ることといえば、犬の手作りごはん。犬の手作りごはんに切替えていく中で『-イヌやネコを愛する人のための- ペットの自然療法事典』を手に取ったのです。
この本から教わったのは、元々知りたかった犬の手作りごはんの作り方・皮膚炎の改善・免疫アップ・サプリメント・・・などの各トピックだけでなく、犬と生活する上で知っておくべき、基本的な犬の身体と考え方でした。
書籍に書かれている方法を部分的に取り入れ、1歳頃(2016年1月頃)から軟便・下痢ばかりを繰り返していたセナのお腹は、手作り食を初めてから回復傾向に向かい、生肉食(2017年1月開始)でより安定するように。完全手作り食に切り替えてからのこの3ヶ月は、パーフェクトなウンチ!をしてくれるまでになりました。
この本は、セナの体調を向上させる上で非常に頼れるガイドでした。
エリザベスカラーを外せない日々
動物病院の治療に行き詰まりを感じどうにかしていあげたいと
自宅でできることを学びました
2017年7月ゴールデン・レトリーバー セナ
指間炎の治療はまだ続けていますが、腸内環境は健康の要。
皮膚炎を治すにもまずはお腹の調子を良くしてあげたいと思っていたことが叶いました。
セナが皮膚炎を患って自然療法に目を向ける中で出会えた書籍。
これまで診療を受けてきたどの動物病院とも異なった視点で、犬の健康・食事・栄養・代替医療について知ることができたこの本にはとても感謝しています。