【スーパーで手に入るハーブ7種】
下痢や嘔吐「お腹の弱い愛犬」の食事に
簡単に取り入れられる!
[消化サポート]
消化器があまり強くなく下痢や嘔吐をよくするゴールデン・レトリーバーセナの手作り食に、積極的に使うようになった消化サポートのハーブ類についてまとめました。
ハーブには様々な効能があり消化器官以外にも期待できる薬効が多々ありますが、この記事では主に消化器官にスポットを当てて書いています。
メディカルハーブの本などを見ると効果は期待できそうだけど「一体どこで入手すればいいの?」というハーブも多数あり、少しハードルが高く感じることがあります。
今回記事で取り上げているハーブは簡単にスーパーで手に入るものばかり。
ハーブは香りが強いのでセナの食事に入れると嫌がるかな?と最初は思ったのですが、案外大丈夫!
むしろ好きみたいです。
スーパーで販売されているハーブは洗ってから使用しています。バジルなどは洗うと香りが落ちるので、拭くだけでOKとされることもあるのですが、有機栽培でない限りは洗っています。
では早速、身近なハーブ「パセリ」から。
目次
「パセリ」
腸の動きが鈍っている時に。血行を促進し補血するハーブ。
パセリの概要と薬効
パセリはセリ科の植物。
パセリは消化を助けるハーブで、腸に溜まったガスを出してくれる駆風作用があります。
やや温性の性質をもち血行を促進、内臓を温め、腸にとどまっている動きの悪い食物を移動させることができます。
肝臓機能サポートがあり、肝臓・胆のうを綺麗にする作用も。
パセリはこんな時に
- 消化力が落ちている時に
- 腸にガスが溜まっている時に
- 食あたりに
- 貧血気味の時に
パセリ | |
---|---|
期待できる効能 | 消化促進 駆風作用(腸のガス排出) 食欲不振改善 血行促進 利尿作用 殺虫作用 抗菌作用 抗酸化作用 |
作用部位 | 消化器 泌尿器 関節 |
主な栄養素 | カルシウム カロテン 鉄 ビタミンB1,B2 ビタミンC |
漢方の五性 | やや温性 |
漢方の帰経 | 肝・脾・肺 |
葉だけでなく茎も食べられます
次は、お魚料理によく使われるハーブ「ディル」。
「ディル」
胃腸のガスを追い出す。胃を健康に保つハーブ。
ディルの概要と薬効
「ディル」はセリ科の植物。
ディルは胃腸に溜まったガスを追い出し、胃を健康に維持する作用のあるハーブ。
また、ディルは犬がいつもと異なる食事をした時に、胃腸で起きる作用を抑制することが可能です。
ディルはこんな時に
- 胃腸にガスが溜まっている時に
- 吐き気を感じている時に
- 胃の機能を元気にしたい時に
- 下痢回復時や便秘の調整に
ディル | |
---|---|
期待できる効能 | 消化促進 駆風作用(腸のガス排出) 健胃作用 利尿作用 抗菌作用 |
作用部位 | 消化管 |
主な栄養素 | カルシウム 食物繊維 鉄分 マグネシウム |
漢方の五性 | やや温性 |
漢方の帰経 | 肝・脾・肺 |
別名 | イノンド |
ディルとハーブの組み合わせ
腸内に溜まったガスを出したいとき、消化器系に問題を起こしている時に「フェンネル」と合わせると効果的。
「フェンネル」単体でも駆風作用があります。
フェンネルは次に取り上げておりディルに見た目が非常によく似たハーブです。
葉だけでなく茎も食べられます
「フェンネル」
気を巡らせて胃を温める。
お腹のガス・吐き気やゲップに特に効果的なハーブ。
フェンネルの概要と薬効
フェンネルはセリ科の植物。
「ディル」とは見た目も作用も似ていますが、「フェンネル」はお腹の張りの解消や駆風作用を求めている時に最初に選びたいハーブ。
ゲップ・胃痙攣による嘔吐などに適しており身体を温める作用があります。
ディルと同様にフェンネルも犬がいつもと異なる食事をした時に胃腸に起きる作用を抑制することが可能です。
フェンネルはこんな時に
- 腸にガスが溜まっている時に
- ゲップが出る時に
- 吐き気を感じている時に
- 下痢の回復時に
フェンネル | |
---|---|
期待できる効能 | 消化促進 駆風作用(腸のガス排出) 胃痙攣の鎮静作用 抗菌作用 去痰作用 利尿作用 |
作用部位 | 消化器官 |
主な栄養素 | ビタミンA カルシウム マグネシウム |
漢方の五性 | やや温性 |
漢方の帰経 | 腎 |
別名 | 小茴香(ショウウイキョウ) 茴香(ウイキョウ) |
フェンネルとディル
フェンネル・ディルともに見た目が非常に似ているだけでなく、駆風作用があり消化器官に対する作用はかなり似ています。
日本では、葉の部分だとディルの方が手に入りやすいかなと感じますが、フェンネルはシードであればスパイスで広く出回っています。
フェンネルシード
フェンネルは葉・茎・種子全てがハーブとして使われますが、フェンネルは葉よりもフェンネルシードで使われることが多いです。
駆風作用(お腹に溜まったガスを追い出す)はシード(種子)の方が効能が高いなど、薬効の違いが多少あるようです。
フェンネルシードのシードは種子のことですが、実はフェンネルの果実でこの中に種子が入っています。
フェンネルはあの有名漢方にも
人の胃腸漢方薬といえばの「太田胃散」にもフェンネルが、茴香(ウイキョウ)として入っています。
次は東南アジアのイメージがあるハーブ「パクチー」です。
「パクチー」
消化促進と毒消し、気を巡らせるハーブ。
胃腸が日頃から弱い子にも。
パクチーの概要と薬効
パクチーは、コリアンダーの名でも親しまれている香草。
パクチーは消化を促進する効能があり、毒消しの役割も持ち併せています。
利尿作用により体内の余分な水分を外に排出することで身体の流れをよくします。
また漢方的には気を巡らせる効果があるとされており、上がりすぎた気を静めて落ち着かせ、鬱滞している気をめぐらして整える効果も期待できます。
また、胃腸が弱く体力が虚弱な子には毎日少しずつ与えることも効果的。
パクチーはこんな時に
- 消化力が落ちている時に
- 身体を温めたい時に
- 利尿を促進したい時に
- 虚弱体質の改善に
- 体の毒素を排出したい時に
パクチー | |
---|---|
期待できる効能 | 消化促進作用 強壮作用 食欲増進作用 発汗作用 血液浄化作用 解表作用 利尿作用 |
主な栄養素 | ビタミンB ビタミンE Βカロテン |
漢方の五性 | 温性 |
漢方の帰経 | 肺、脾 |
別名 | コリアンダー(英名) チャンチァイ 香菜 カメムシソウ(和名) |
パクチーの原産国
パクチーはタイ料理などに多く使われているイメージを持っていた為、身体を冷やす作用があるのかなと以前は思っていました。
しかし意外ながらパクチーの原産は地中海で(地中海は日本よりやや温暖な気候)、身体を温める働きがあります。
パクチーの解毒
パクチーには解毒作用があるといわれますが、特に一時的な体表面のトラブルに効果的とされており、中国ではハシカを治すハーブとして知られています。
体表面の発疹を収める効果があり、どちらかというと慢性症状の皮膚炎よりも一過性の皮膚炎に効果が期待できそうです。
パクチーのキレート作用
パクチーは体内に溜まった有害金属を排出するキレート作用があることがわかり、近年注目を集めています。
葉だけでなく茎も食べられます
次は、手に入りやすい代表的ハーブ「バジル」です。
「バジル」
吐き気がある時に。胃腸も気持ちも落ち着かせるハーブ。
バジルの概要と薬効
バジルはシソ科のハーブ。
バジルは幅広い薬効で知られ、消化促進・下痢止めなど胃腸の働きを整える作用があります。
また整えるのは胃腸だけでなく、自律神経への働きかけで気持ちを落ち着かせることも可能。
気管支炎の予防や去痰作用もあります。
バジルはこんな時に
- 消化力が落ちている時に
- 嘔吐を繰り返す時に
- 下痢、腸炎時の回復時に
- お腹にガスが溜まっている時に
- 興奮して落ち着きがない時に
バジル | |
---|---|
期待できる効能 | 消化促進作用 駆風作用 去痰作用 鎮静作用 強壮作用 抗菌作用 |
主な栄養素 | カルシウム カロテン 鉄 ビタミンE マグネシウム リナロール |
漢方の五性 | 温性 |
漢方の帰経 | 肺、脾、胃 |
バジルは漢方の先生にも嘔吐を繰り返す時などに良いとアドバイスをもらいました
「シソ」気の流れを良くし冷えを取る。殺菌効果のあるハーブ。
シソの概要と薬効
シソはシソ科のハーブ。
気を巡らせ身体を温め冷えをとる薬効があるシソ。
刺身などの付け合わせで使われるのは毒消しの役目で知られているところで、殺菌効果も高いです。
シソはこんな時に
- 食欲がでない時に
- お魚と一緒の食事に
- 食あたりに
シソ | |
---|---|
期待できる効能 | 食欲増進作用 解毒作用 和胃作用 殺菌作用 |
主な栄養素 | βカロテン ビタミンC ビタミンB群 鉄 亜鉛 銅 |
漢方の五性 | 温性 |
漢方の帰経 | 肺、脾、胃 |
別名 | 大葉 |
「クレソン」
身体の熱を取り除き、血の巡りを改善するハーブ。
消化サポート+αに注目。
クレソンの概要と薬効
クレソンはアブラナ科のハーブ。
ステーキなどお肉料理の付け合わせでよく目にするクレソンには、消化を促進する作用があります。
またクレソンの効能として国際がん研究機関で世界的でも示唆されているのが「ガン予防」。
クレソンに含まれているイソチオシアネートが「ガン予防」に効果的とされており、イソチオシアネートはアブラナ科の野菜に含まれることが多い成分ですが、クレソンは含有量が特に多くなっています。
また身体の熱を取り除き、血の巡りを改善する作用もあります。
嘔吐や駆風については他のハーブの方が効能に期待できそうです。
クレソンは日頃の消化サポート+健康維持に適しているハーブでしょう。
ゴールデンレトリーバーは悪性腫瘍にかかりやすい犬種なのでガン予防のハーブというと積極的に取りたいところですよね
クレソンはこんな時に
- 消化促進に
- 日頃の健康維持に
- ガン予防に
クレソン | |
---|---|
期待できる効能 | 消化促進作用 血流改善作用 抗酸化作用 |
主な栄養素 | カルシウム カロテン 鉄 ビタミンB群 ビタミンC |
漢方の五性 | 寒性 |
漢方の帰経 | 肺、肝 |
別名 | オランダカラシ |
寒性のハーブ
今回取り上げた中で唯一寒性のハーブ。つまり、身体を冷やす働きを持っているハーブです。
身体の熱をとることから皮膚や肝臓にも良いとされています
通常の消化不良時には温性ハーブを使っていますが、温性ハーブとミックスであげている時はあまり気にしていません。
食材は寒性・温性ばかりにならないように気をつけるように心がけてはいます。
お腹の弱い犬の消化サポートに良いハーブまとめ
一番最初にハーブをセナごはんに取り入れたのは最初は大葉かバジルだったと思います。
セナの消化サポートのために毎日の食事に取り入れているハーブを改めて確認する意もあり記事にまとめることにしました。
ハーブの薬効は時々参考にしている本を見返し確認しながらごはんに入れていて、こっちのハーブもあっちのハーブ効能似ているな〜なんて思っていたのですが、こうして調べてみるとやっぱり似てる!と思ったり、ここが違うんだ。と思ったり新しい発見がありました。
今回この記事で取り上げた7種のハーブは、愛犬の食事だけでなく、人の食事に気軽使うことができるハーブなので購入したけど使わなかったということも少ないので無駄になりません。
ハーブは調べると奥が深くて、本を読んでいるとあっという間に時間が過ぎてしまいます。
記事を書くにあたり参考にした書籍は以下の4冊です。
パクチーを食べるセナ
香りが強いから鼻にしわ寄せて食べる(笑)
身近なハーブの一つとして「ペパーミント」がありますが、そういえばセナには「ペパーミント」をあまりあげていないなと思い調べてみたら、「ペパーミント」は吐き気止めには良いものの(確かに酔い止めにも使われますものね)、腸の蠕動運動を促す作用があるようなのでどちらかといえば便秘の子に良さそうです。
下痢を伴っている時の吐き気止めにはこの記事で取り上げたバジルやディルの方が良さそうだなと思いました。
ただ、本当に下痢をしているときはごくごくシンプルな食事にして消化に負担をかけないようにするため、ハーブは日頃の消化器ケアと強壮、下痢や軟便から回復してきた時のサポートとして取り入れています。
今回はスーパーで簡単に手に入る「フレッシュハーブ」の中で日常的に愛犬の消化サポートに使えるハーブをまとめました。
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