【犬の新薬アポキル錠 – 2 】アポキル錠の副作用・Q&Aのまとめ[犬の皮膚炎]



【犬の新薬アポキル錠 – 2 】アポキル錠の副作用・Q&Aのまとめ[犬の皮膚炎]

ゴールデン・レトリーバーセナ1歳9ヶ月。犬のアトピー性皮膚炎のかゆみ止め新薬、アポキル錠を試すことになりました。

犬のアトピー性皮膚炎に、かゆみ止めのアポキル錠

アポキル錠犬のアトピー性皮膚炎

環境アレルギーともいわれ、根本の原因を特定できないためにその原因を取り除くことが難しい場合が多い、犬のアトピー性皮膚炎。セナも指間炎などの継続治療を行ったものの完治が難しくアトピー性皮膚炎ではないかと、診断されてしまいました。

  • ゴールデン・レトリーバー セナ 犬の皮膚炎治療に関する記事一覧はこちら

そこで、2016年夏日本に上陸した痒みを断ち切る新薬アポキル錠を試すことになったわけです。


今回の記事では、アポキル錠の安全性と副作用について、そして服用等に関するQ&AをZoetis社のHPを参考にまとめています。

本記事のアポキル錠テーマ
  • アポキル錠の安全性と副作用
  • アポキル錠服用の疑問とその回答

本記事における、アポキル錠の効果効能、安全性、副作用、服用方法、臨床試験結果はZoetis社公開情報によるものです。

 

 

アポキル錠(アポクエル錠)に関する詳しい情報・参考元
  • アポキル錠の用法用量副作用などの記載あり。アポキル錠の添付文書はこちら
  • ゾエティスジャパン アポキル錠のページはこちら
  • 海外のアポキル錠、APOQUEL(アポクエル)錠はこちら
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アポキル錠は従来の犬のアトピー性皮膚炎・アレルギー性皮膚炎治療薬と比較して副作用が少なく安全とされていますが、アポキル錠も全く副作用がないわけではありません。

アポキル錠の安全性と副作用

アポキル錠の安全性として下記2点があげられています。

(1)【副作用の低さ】
  • アポキル錠は、ステロイド剤よりも副作用の発生が低頻度である(欧州における犬のアレルギー性皮膚炎の臨床試験結果)
  • アポキル錠は、免疫抑制剤(シクロスポリン製剤)に比べて、副作用が軽い(国内における犬のアトピー皮膚炎の臨床試験結果)
(2)【長期投与時の安全性】

アポキル錠が長期治療においても安全かつ有効で、 患犬の生活の質の改善に貢献したことが示された(米国におけるアポキル錠を最長630日間投与した臨床試験結果)

アポキル錠は、ステロイド剤や免疫抑制剤と比較して副作用が少ない上に、長期連用が可能ということです。

Zoetis社で公開されているアポキル錠の臨床試験結果から、アポキル錠を服用した場合の副作用を詳しく見ていきたいと思います。


▼アポキル錠の臨床試験での副作用(国内)

免疫抑制剤(シクロスポリン製剤)とアポキル錠を各々のグループに投与した国内の臨床試験における副作用の出現

アポキル錠の副作用は、下痢・マラセチア感染症・眠気

アポキル錠の副作用(犬)

薬による副作用 アポキル錠 免疫抑制剤
消化管障害(下痢・嘔吐など) 下痢(1頭/4%) 嘔吐(2頭/11%)下痢(2頭/11%)
皮膚疾患(感染症・湿疹など) マラセチア感染症(1頭/4%) 紅斑(1頭/5%)
神経学的障害(鬱・眠気など) 眠気(1頭/4%) なし
【対象犬頭数】 計24頭 計19頭
【副作用出現頭数】 計3頭 計6頭

アポキル錠を服用したアトピー性皮膚炎の犬24頭のうち、表れた副作用は、下痢1頭・マラセチア感染症1頭・眠気1頭。免疫抑制剤(シクロスポリン製剤)よりも、副作用が出た犬は若干少なかったという実験結果が得られています。

これは、アポキル錠製造販売元のZoetis社が公表している国内における臨床試験結果ですが、臨床試験の実施期間は明記がありません。個人的な見解としては、臨床試験のサンプル犬頭数がアポキル錠24頭・免疫抑制剤(シクロスポリン製剤)19頭と少ないと感じます。

次は、アポキル錠を長期投与した場合の副作用に関する臨床試験結果です。


▼アポキル錠長期投与における副作用(最長630日)

アポキル錠は、長期で服用を続けても安全性の高い薬だとも言われています。米国で最長630日という2年弱のアポキル錠投与の臨床試験において、どのような副作用が出たでしょうか。

対象 アレルギー性皮膚炎と診断された犬247頭
犬の年齢 平均6.8歳
服用方法 アポキル錠を1日2回、14日間投与した後、1日1回投与を最長で630日間継続
投与期間(最短) 115日間
投与期間(最長) 672日間
投与期間(平均) 401日間(中央値356日)
アポキル錠長期投与における副作用の症状

アポキル錠長期連用の副作用(犬)

全247頭のうち、アポキル錠副作用の症状とその割合
副作用の事象 割合 頭数
尿路感染症・膀胱炎 11.3% 28頭
嘔吐 10.1% 25頭
外耳炎 9.3% 23頭
膿皮症 9.3% 23頭
下痢 6.1% 15頭

アポキル錠の副作用症状の上位は、尿路感染症・膀胱炎・嘔吐となっています。

アポキル錠の主な副作用:下痢・嘔吐などの消化器官に

アポキル錠の副作用が出やすいのは消化器官、症状としては下痢・嘔吐。アポキル錠を休む必要があった程の副作用は、嘔吐30回のうち、9回。

アポキル錠の主な副作用:感染症

アポキル錠の副作用がでるとしたら下痢くらいでは?と動物病院で伺っていましたが、Zoetis社が公開している臨床試験結果をみると、下痢・嘔吐の消化器官への副作用の他に皮膚感染症(マラセチア感染症・膿皮症)や尿路感染症が多く報告されている様です。

アポキル錠を実際に服用する場合の投与期間

臨床試験では最長630日、1年を超えた服用実験を行っていますが、実際に服用させる場合のアポキル錠の連続投与は1年が上限とされています。

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次は、アポキル錠の服用に関するQ&Aです。

アポキル錠の服用に関するQ&A

下記、Zoetis社HPで公開されているアポキル錠に関するQ&A(こちら)から抜粋。抜粋のため、Question Numberは一部抜けています。

Q1.食餌の影響はありますか?
A.いいえ。アポキル錠の血中濃度は空腹時でも食後でも同じ推移であることから、食餌の影響は受けません。したがって犬が薬を嫌がる場合は、食餌と共に与えるといった工夫が可能です。

→セナは、食事と一緒にアポキル錠を服用しています。食事以外の時は、茹でたチキンの中にアポキル錠を入れて飲ませます。

 

Q2.投与後数日で症状緩和が認められた場合でも、2週間は1日2回投与したほうがいいのでしょうか?
A.症状の緩和が認められた場合は、14日間以内であっても1日1回投与への減量が可能です。また、急性炎で短期に治療が奏功した際には、獣医師の判断により投与を終了することもできます。

→アポキル錠は、ステロイド剤のように服用量を減少させる際の判断は、シビアではないそうです。症状が良くなれば、止めていいと伺いました。

 

Q4.急性の皮膚炎に対し、アポキル錠を投与したところ、充分な改善が認められました。アポキル錠の投与を中断出来ますか?
A.はい。急性の皮膚炎に対してもアポキル錠は有効です。痒みや症状の緩和が認められた段階で獣医師の判断により投薬を中止することができます。ただしその際に、アレルギーの抗原が除去されていなかったり、悪化要因の探索ができていないと、投薬中断後に症状が悪化することもあるので、注意が必要です。

→処方してもらった動物病院では、ステロイド剤のようにリバウンドがない薬なので、飼い主が犬の皮膚炎の症状をみて、アポキル錠をあげる・あげないを判断していいと伺いました。但し、1度アポキル錠をあげたらある程度の日数をあげつづけること、症状が悪化する前に服用させることが、アポキル錠を効果的に効かせるためには大事だそうです。

 

Q6.食物アレルギーの原因となるようなタンパク質は製剤に含まれますか?
A.アポキル錠に、食物由来物質や、食物アレルギーの抗原と認識されるようなフレーバーは含まれません。

 

Q7.抗菌剤や駆虫薬と併用した例はありますか?
A.海外や国内臨床試験で、全身性抗菌剤や駆虫薬と併用した報告があります。
犬アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎では皮膚感染症や外部寄生虫症が合併している例がしばしば存在するため、本剤の投与開始前にこれらについて検査し適切な治療を行うことが肝要です。

 

Q8.消化器系の有害事象(嘔吐など)はアポキル錠療法の継続と共に解消しますか?それとも、アポキル錠の投与中止や用量調節が必要ですか?
A.嘔吐や下痢などの消化器症状が、アポキル錠の副作用として報告頻度が高いものです。ほとんどの場合は、消化器症状発現後もアポキル錠の用量調整や投与中止を行うことなく、これらの症状は緩和、消失しました。
一方、一部の嘔吐の症例(たとえば長期臨床使用時の試験によると、30回中9回)では休薬あるいは対症療法を必要としたので、副作用の発現状況によってご判断ください。

 

Q9.アポキル錠を分割してもいいですか?粉末状で投与できますか?
A.アポキル錠の中央には割線があり、2分割することができます。しかしながらさらに分割および粉末の投与での有効性/安全性/安定性などは評価されていません。

 

Q10.分割した錠剤は何日間もちますか?
A.本剤を分割投与する場合は、分割後3 日以内に使用してください。

 

アポキル錠は、犬のアトピー性皮膚炎・アレルギー性皮膚炎の新薬ですが、人のアトピー性皮膚炎には効果は立証されていません。ステロイド剤のように、人も犬も同じ薬とはいかず、アポキル錠は犬猫に効果を発揮する薬です。

 

これだけ、犬のアトピー性皮膚炎のかゆみ止めとして注目を集めている新薬アポキル錠。犬のアトピー性皮膚炎の薬は、どれも高額になりがちです。アポキル錠の価格はどの程度なのでしょうか。

  • 動物病院で実際に処方してもらったアポキル錠の処方箋費用をまとめている記事はこちら↓

【犬の新薬アポキル錠 – 3 】アポキル錠の服用方法と実際の処方費用まとめ[犬の皮膚炎]

  • アポキル錠の効果と、従来の犬アトピー性皮膚炎の代表薬4種との比較記事はこちら

【新薬アポキル錠 / 犬のアトピー性皮膚炎治療薬・参考リンク】

  • アポキル錠の用法用量副作用などの記載あり。アポキル錠の添付文書はこちら
  • ゾエティスジャパン アポキル錠のページはこちら
  • 海外のアポキル錠、APOQUEL(アポクエル)錠はこちら
  • CAD国際調査委員会 犬のアトピー性皮膚炎治療のガイドライン2015(英文)はこちら
【アポキル錠は体重別に3種類】

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【参考:アポキル錠1日1回分の体重別投与早見表】
犬の体重 アポキル3.6mg アポキル5.4mg アポキル16mg
3.0kg以上 0.5錠
4.5kg以上 0.5錠
6.0kg以上 1錠
9.0kg以上 1錠
13.5kg以上 0.5錠
20.0kg以上 2錠
27.0kg以上 1錠
40.0kg以上 1.5錠
55.0kg‐80.0kg 2錠

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