犬の包皮炎。消毒液の種類・消毒方法［犬の皮膚炎］
ゴールデン・レトリーバーセナ1歳頃に陰嚢(いんのう：おタマの部分)の皮膚炎、おちんちんの外側の炎症である包皮炎を発症、悪化してしまいました。
指間炎の悪化もあり良くならない中で今度は陰嚢・陰茎まで炎症を起こしてしまうとは...。
犬の包皮炎を治すためには消毒することが大事だそうです。
この記事では、包皮炎の消毒方法・消毒に使っている消毒液の種類、動物病院で治療の一環として勧められた薬用シャンプーについて書いています。
最初に包皮炎の症状が見られた時「陰茎・陰嚢の皮膚炎悪化。包皮炎に。［犬の皮膚炎］」
包皮炎の症状に関する詳しい記事は「陰茎・陰嚢の皮膚炎悪化。包皮炎に。［犬の皮膚炎］」 ゴールデン・レトリーバー セナの陰嚢(いんのう)・おちんちん周辺の皮膚炎にはじめて気づいたのは、2015年11月。11月時点では、指間炎の炎症の方がひどく、指間炎のついでに、陰嚢周辺の赤みを診察しても ...
陰茎・陰嚢の皮膚炎悪化。包皮炎に。［犬の皮膚炎］
動物病院で使われていた包皮炎消毒剤
セナの包皮炎の炎症が悪化して、動物病院で診てもらった時に消毒に使っていたのはヒビスクラブという消毒液です。
ヒビスクラブ
ヒビスクラブは医薬品なので一般に購入することはできません。
自宅で何の消毒液を使ったらいいかの参考になると思うので動物病院で包皮炎の消毒液として使っていた「ヒビスクラブ消毒液4%」について概要を下記に記しておきます。
ヒビスクラブ消毒液4%の概要
| 項目 | 内容 |
| 成分 | クロルヘキシジングルコン酸塩液を20vol%含有 〔クロルヘキシジングルコン酸塩として 4 w/v % 含有〕 |
| 薬効 | 各種細菌、真菌類に対する最小発育阻止 濃度は日局クロルヘキシジングルコン酸塩液とほぼ同等である。 |
| 備考 | w/vとは、溶液100ml中に成分が何グラム入ってるかを示す。vol%とは容量(体積)を基準にした割合であることを示す。対して、重量を基準とした%の場合はwt%が使用される。 |
ヒビスクラブ消毒液4%の添付文書はこちら
ヒビスクラブの有効成分は"クロルヘキシジン"
ヒビスクラブというのは、通常医療現場で医師たちの手指消毒のために使われる消毒液です。そしてヒビスクラブに含まれている有効成分がクロルヘキシジン。有効成分クロルヘキシジンは、幅広い細菌に対して殺菌作用(抗菌作用)を示します。
クロルヘキシジンは、真菌にも殺菌作用(抗菌作用)を示しますが、真菌よりも一般的な細菌への殺菌効果の方が高いといわれています。
消毒液の有効成分『クロルヘキシジン』、この時初めて聞きました。
しかし、後ほど使うことになった薬用シャンプーで再度この有効成分「クロルヘキシジン」を耳にすることになります。(記事後半に、包皮炎治療にて消毒の一環で使用した薬用シャンプーを記載しています)
この時の診察では動物病院では特に薬用シャンプーを使う話になっておらず、
院長からは
「消毒液がなければ水でもいい。ただ、出来れば消毒液で毎日包皮を洗った方が良い」
とアドバイスを受けました。
自宅で犬の包皮消毒ができなければ、「毎日動物病院に来て消毒しても・・・」と獣医師にいわれました。
毎日動物病院に通うことは現実的ではないですし、病院だって休診の日があります。もし、病院でしかできないなら通うしかありませんが、セナの負担を考えても自宅で消毒できる方が良いだと思い、自宅で犬の包皮消毒をすることにしました。
包皮炎の消毒を自宅で開始
「水でもいいよ」と言われていたこともあり、特に自宅での消毒液が指定されるわけでもなく処方されるわけでもありませんでした。
ゴールデン・レトリーバー セナの包皮炎の炎症が悪化してから、こまめに消毒をする毎日。
オキシドールで包皮消毒
包皮や肛門周辺も炎症を起こしていますので、粘膜に使用できる消毒液オキシドールを使いました。
オキシドールは肌に使える安全な消毒液ですが、まず自分自身に使ってみて安全性を確認した上で、2~3倍に希釈して使用しました。
オキシドールは、傷のある創傷(そうしょう)部位にも使うことができます。
炎症の箇所が箇所だけにデリケートで刺激にも弱いので消毒液には気を使います。強すぎると肌がかぶれて逆効果になりかねません。
安全ではあるもののオキシドールは皮膚に使う際には消毒効果が比較的小さいようです。
器具などの消毒には、より効果を発揮するとのこと。
イソジンキズ薬で包皮消毒
最初に使用していたオキシドールは消毒効果が弱いこともあり、ポビドンヨードを有効成分とするイソジンのキズ薬を購入しました。
イソジンはうがい薬でよく知られていますが「きず薬用のイソジン」があります。
近くの薬局ではきず薬消毒用のイソジンを置いてなかったためAmazonで購入しました。
イソジンうがい薬で、包皮や傷を消毒できる？
イソジンのうがい薬なら手元にあるという場合もあるかもしれませんが、イソジンのうがい薬は包皮消毒に使わない方が良いでしょう。
イソジン販売元の明治HPのQ&Aを参考に該当箇所を確認しました。
Q. イソジンうがい薬で手の消毒ができますか？
A .イソジンうがい薬には手指・皮ふの殺菌・消毒の効能・効果はないので、手の消毒には使用しないでください。手指・皮ふの殺菌・消毒には、洗浄タイプのイソジン泡ハンドウォッシュをお使いください。
Q. イソジンきず薬でうがいをしてもよいですか？
A .イソジンきず薬にはのどの殺菌・消毒の効能・効果はないので、うがいには使用しないでください。うがいにはイソジンうがい薬をお使いください。
イソジンの販売元がMeijiからシオノギ製薬に変わりました。それに伴い明治では「イソジン」という名前が使えなくなったので、明治で販売しているイソジンに該当する製品は「明治うがい薬」です。イソジンのQ &AについてはMeijを見てもシオノギ製薬を見ても全く同じことが書いてありました。
イソジンうがい薬ときず薬って何が違うんだろう？と思い、以下に成分を比較してみました。
イソジンうがい薬・きず薬
| イソジン | 全成分 |
|---|---|
| イソジンきず薬 | 1ｍL中 ポビドンヨード100ｍｇ(有効ヨウ素として10ｍｇ) 添加物として グリセリン，クエン酸，リン酸一水素ナトリウム，ラウロマクロゴール，ｐH調整剤 |
| イソジンうがい薬 | 1ｍL中 ポビドンヨード70ｍｇ(有効ヨウ素として7ｍｇ) 添加物として、エタノール，ｌ-メントール，サッカリンナトリウム，香料 |
まず、「イソジンうがい薬」と「イソジンきず薬」は、有効成分ポビドンヨードで同じ成分なのですが、ポビドンヨードの濃度と添加物が異なることがわかります。
添加物がキズや喉の殺菌にそれぞれどのような働きをしているかまでは言及できないのですが、「エタノール」がうがい薬に入っているところをみると、うがい薬を包皮炎などの皮膚やデリケートな肌に使用するのは適していないと判断すべきでしょう。使用してしまうと刺激が強く症状の悪化を招きかねないことや、ワンちゃんが痛がったりする可能性があります。
ちなみに以下が元々イソジンを販売していた明治のイソジン代替品「明治うがい薬」と「明治きず薬」の全成分です。
明治うがい薬・きず薬
| イソジン | 全成分 |
|---|---|
| 明治きず薬 | 1ｍL中 ポビドンヨード100ｍｇ(有効ヨウ素として10ｍｇ) 添加物として グリセリン，クエン酸，リン酸水素2Nａ，ラウロマクロゴール，ｐH調整剤 |
| イソジンうがい薬 | 1ｍL中 ポビドンヨード70ｍｇ(有効ヨウ素として7ｍｇ) 添加物として、エタノール，ｌ-メントール，サッカリンNa，香料 |
シオノギ製薬「イソジンうがい/きず薬」と明治「うがい/きず薬」は、ポビドンヨードの濃度・添加物を含め成分が全く同じこともわかります。
結論：包皮炎消毒にイソジンを使うなら「イソジンきず薬」を使用。「明治きず薬」でもOK！
実際にセナの包皮炎消毒をどうしているかというと...
【包皮炎の消毒】イソジンとウェットティッシュ
実際に包皮炎消毒に使っているウェットティッシュ
セナのお散歩やおしっこの後は、何もつけていないウェットティッシュで包皮炎を起こしている部分を拭いて清潔にしてから、イソジンきず薬を垂らしたウェットティッシュで拭くようにしています。
使っているウェットティッシュは、余計な成分が入っていない純水99%ノンアルコールのピュアウォーター。犬用ウェットティッシュは使いません。ちなみに、犬用ウェットティッシュは色々な成分が入りすぎているので普段も使わないです。
そしてウェットティッシュの必需品、乾かさない蓋！
セナに使っているピュアウォーターのウェットティッシュにも、ウェットティッシュの蓋を使用中。毎日使っていてもウェットティッシュって大抵最後の方は乾いてしまうのですが、蓋があるだけで最後まで乾かない上に、取り出しやすいのでとても便利です。
ピュアウォーターにぴったりサイズ！ウェットティッシュが乾かない便利な蓋
より肌に優しいひたひた水濡れコットンでも
上記のピュアウォーターウェットティッシュは水分量が多くないため、包皮の汚れを拭き取りにくいな、と感じることもあります。患部を傷めないように、常備しているのがもっと水分がヒタヒタのコットンウェットティッシュ。
水だけ濡れコットン
ウェットティッシュよりももっとお肌に優しくて、水を含んでいるのは赤ちゃん向けの水濡れコットン。
水だけ濡れコットンは、Amazonの脱脂綿・ガーゼ部門でベストセラー第1位。1包ずつ梱包されているので、お散歩や外出時でもさっと拭いてあげることができます。
包皮炎消毒に使える「水だけぬれコットン」
赤ちゃんのための水だけコットン
更に水分量が多く含まれているのが、赤ちゃんのための水だけコットン。
通常のコットンを濡らしても良いのですが、元々水分が含まれているコットンですと毛羽立ちにくいと感じます。
包皮炎消毒に使える「赤ちゃんのための水だけコットン」
次は、包皮炎治療のために動物病院で勧められた薬用シャンプーです。
包皮炎治療に使う薬用シャンプー
動物病院で購入「薬用クロルヘキシジンシャンプー」
当記事の一番最初に、動物病院で包皮炎の消毒のために使った消毒液「ヒビスクラブ」について書きました。有効成分がクロルヘキシジンでしたね。
同じ有効成分クロルヘキシジンを含んだ動物用の薬用シャンプーを包皮炎治療に勧められました。
動物病院では、業務用ボトルシャンプーから小分けでの販売だった為、パッケージは詰替容器です。
本当のパッケージはこちら↓
フジタ製薬「薬用クロルヘキシジンシャンプー」概要
| 項目 | 内容 |
| 成分及び分量 | 本剤100g中 酢酸クロルヘキシジン…0.5g |
| 効能又は効果 | 犬、猫の皮膚・被毛の洗浄及び殺菌消臭 |
| 特 長(1) | グラム陽性菌を中心とした広い抗菌スペクトルを持つ酢酸クロルヘキシジンを0.5%配合 |
| 特 長(2) | 汚れの洗浄、ふけの除去、一般細菌、２次感染菌の除菌、細菌性皮膚炎、膿皮症、乾性脂漏症の予備洗浄等に |
| 特 長(3) | 低刺激処方 |
| 特 長(4) | コンディショニング成分（保湿剤）配合 |
薬用シャンプーの価格
動物病院で購入したものと全く同じ「フジタ製薬の薬用クロルヘキシジンシャンプー」はインターネット通販でも購入できます。
セナがかかった動物病院では200ml2,000円でした。動物病院で購入したフジタ製薬の薬用クロルヘキシジンシャンプーがなくなったので、その後は通販で購入しました。
価格的な点でいえば、ネットの方が動物病院で購入するよりお安く買えます。
このフジタ製薬の薬用クロルヘキシジンシャンプーは犬用の薬用シャンプーではメジャーなもので、Amazonの犬用シャンプーのベストセラー商品でもあります。
Amazonベストセラー「フジタ製薬の薬用クロルヘキシジンシャンプー」
レビュー300件超楽天市場「フジタ製薬の薬用クロルヘキシジンシャンプー」
犬の包皮炎消毒のまとめ
動物病院で勧められた包皮炎の消毒についてまとめました。
自宅での包皮炎の消毒をまとめると...
- 散歩ごとにやること：お散歩の後は可能な限り水で流す。水で流せない時はウェットティッシュで丁寧に拭く。濡れっぱなしにならないように水分を拭き取る。
- 毎日やること：イソジンきず薬をウェットティッシュに垂らしてで1日2回消毒
- 週1回〜2回やること：フジタ製薬の薬用クロルヘキシジンシャンプーで洗う
です。
包皮炎をきっかけに薬用シャンプーを初めて使用したわけですが、薬用シャンプーと聞くと匂いがキツかったり洗い上がりが良くなかったりするかと思っていました。実際に使ってみると、ゴールデン・レトリーバー セナが匂いを嫌がることもなく、洗い上がりも思いの外毛がふわふわになり、使い心地の良いシャンプーでした。
少しずつですが、包皮炎の炎症が良くなってきた気がします。
【追記】包皮炎のその後
包皮炎が最初に発症したのは1歳1ヶ月の時でした。その後、1歳3ヶ月にかけて包皮炎が更に悪化。
エリザベスカラーもつけたりと治療にはかなり苦労しましたが
半年ほどかけて少しずつ良くなっていって、その後アレルギー除去なども行いさらに少しずつ少しずつ改善を見せて、今では包皮炎は起こしていません。
どうしても気にしてしまう箇所だと思いますが、自分で舐めていたら汚れていないかチェックをして、ウェットティッシュで人が優しく拭いてあげるようにしています。
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