先日、ゴールデン・レトリーバーセナ7歳の冬〜春にかけての皮膚炎「7歳春皮膚炎の状況と自宅ケア」についてまとめました。
皮膚炎の状況について振り返ることの意味は、次回の同じ季節に生かすこと・変化を追うことで皮膚炎の改善につなげることが目的です。
同じように皮膚炎と闘っている子に少しでも共有できればという思いもあります。
7歳春の皮膚炎まとめ記事には書ききれなかった、サイトポイントとアポキルの今後の服薬について、獣医師の意見などを踏まえつつ、考えていることを書きたいと思います。
最後にはちょっと驚いたサイトポイント注射の費用などについても記載しています。
サイトポイントとアポキルについて
サイトポイントとアポキルの違い
サイトポイントとアポキルは共に皮膚の痒み止めという点では共通していますが、違いもあります。
簡単に違いのポイントをまとめると下記です。
サイトポイント | アポキル | |
痒み止めの対象 | アトピー性皮膚炎の痒み | アレルギー性皮膚炎の痒み その他の痒み |
抗炎症作用 | なし | あり |
投薬 | 月1回の注射 | 1日1回〜2回の服薬 |
サイトポイントとアポキルの違いについてより詳しいことは「サイトポイントについて」の記事に書いています。
サイトポイントとアポキルの違いが生み出した皮膚炎の変化
アポキルからサイトポイントへ
皮膚炎の痒み止めの投薬をアポキルからサイトポイントへ変えました。
- 1歳9ヶ月、痒み止めのアポキル錠を服用開始
- 5歳8ヶ月、メインのお薬をアポキル錠からアトピー性皮膚炎用の痒み止め「サイトポイント注射」へ
- 7歳4ヶ月、現在もサイトポイント注射でコントロール、アポキル服用はほぼなし
アポキルが登場してからすぐに服用を開始。
それから4年断続的に服用しました。
その後、サイトポイント注射が新薬として発売され、アトピー性皮膚炎であれば痒みに効くということで5歳8ヶ月の時に切り替えました。
サイトポイントに変えてからの皮膚炎の変化
サイトポイント注射に切り替えて約1年半経過しましたが、アポキルの時と比較して皮膚炎の範囲だけでいえば少しずつ炎症範囲が広がっていきました。
これはアポキルとサイトポイントの違いが生み出した変化で
「サイトポイント注射」はアトピー性皮膚炎の痒みを抑えるものの炎症を抑える効果がないので、
結局根本のアトピー性皮膚炎に起因する炎症は起こってしまう
ということを実感した1年半でした。
サイトポイント注射に切り替えた当初は、まだアポキルによる炎症止めの余韻があったのでしょう、炎症範囲もまだ広がっておらず断然アポキルよりセナの皮膚炎に合っている印象でした。
サイトポイント注射が効いたということで、「アトピー性皮膚炎」だということも明確にわかりました。
サイトポイントとアポキル【炎症箇所の違い】
サイトポイント注射に切り替えてから約1年半後の今、
皮膚炎の炎症の箇所・範囲を比較すると、アポキルの時の方が絞られていたと思います。
サイトポイントは炎症を止める作用は全くないので、アトピー性皮膚炎の炎症は起きてしまう。それで、少しずつ少しずつ炎症が表面に出てきてしまっている状態だと思います。
炎症が起きれば炎症に伴う違和感・細菌感染などを起こすこともあります。
元の痒みはブロックできていても、炎症に起因する痒みなどを止めることはできません。
アポキルから切り返した時間が経過するにつれ、
以上のようにアトピー性皮膚炎のサイトポイント注射で、全く痒みがないわけでもなく、炎症箇所もアポキルと比べると多くなってきた。
こうなると、「サイトポイントからアポキルに戻す」「サイトポイントとアポキルを併用する」というのも一つの方法となります。
今後のお薬について「サイトポイントとアポキル」
サイトポイントからアポキルに戻すことについて
サイトポイントに変えてから症状が顕著になった皮膚炎もあります。
股は明らかに炎症が強くなりましたし、外耳炎も増えました。
他にはアポキル服薬時代にはあまりなかった、背中を掻いたり、腕や後足(足先ではない部分)を気にしたりということもよくあります。
皮膚の炎症範囲を抑えるために抗炎症効果も持ち合わせた「アポキルに戻す」これも一つの方法です。
しかし、アポキル服用の時には酷かった指間炎・口元・お尻(肛門)のかゆみについては、サイトポイントの方が抑えられているのもまた事実です。
指間炎も口元も現在のサイトポイント投薬下で全く痒みがないわけではありませんし、抗炎症作用がないサイトポイントでは炎症は起こっています。
それでもアポキルと比べると、これらの箇所についてはサイトポイントの方がコントロールできている状態です。
このように
アポキル・サイトポイント投薬下における
皮膚炎の炎症箇所・範囲、そしてそれぞれの箇所での痒みの度合いも異なるため
セナのアトピー皮膚炎をコントロールするために、アポキル・サイトポイントのどちらが適しているかは難しい判断です。
サイトポイント投薬下の今の方があちらこちら皮膚炎を起こしているものの、
今のところ「セナにはサイトポイントの方が合っている」という総合的な判断をしています。
アポキルは毎日服用するため薬が切れる時間帯が必ずやってきて、それが皮膚炎の悪化を招くこともあります。
またお腹の弱いセナにとって、お腹を壊している状態の時でも最低1日1回の服薬が必要というのは胃腸負担が大きいとも考えています。
皮膚炎投薬の現在の選択肢としては「サイトポイントからアポキルに切り替える」のほかに、「サイトポイントとアポキルを併用させる」という方法があります。
アポキルとサイトポイントの併用について
「月1回のサイトポイント注射に加えて、炎症がひどいようだったらアポキルを服用するのも一つ」
と担当獣医師に提案されることがあります。
確かにサイトポイントとアポキルでは痒みの範囲が異なっていたり、痒み度合いが異なっていたりするため
サイトポイント注射に加えてアポキルを併用すれば皮膚炎の炎症・痒み抑制についてはより良い効果を得られるのだと思います。
しかし、皮膚炎だけでなくセナの体調を全体的に考えた時に、
「薬の服用は極力減らしたい」
という考えがあり、今のところよほどの炎症悪化がなければアポキル併用はせずにサイトポイント注射でコントロールを続けていきたいと思っています。
月1回のサイトポイント注射の投薬時期が近くなってくると痒みが増していると思うこともあり
出来ることならばサイトポイント注射も止めたいですが、痒みと炎症によるセナのQOL低下、ストレス増加を考えると現実的ではありません。
今後の投薬について
5歳8ヶ月に切り替えたサイトポイント注射を今後も続けていく予定です。
アポキルの併用は本当に酷い時、サイトポイント注射が入荷しない時、になっていくと思います。
改善を諦めてはいませんが、アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返して、一度発症すると根治は難しいといわれる皮膚炎です。
また年齢を重ねるにつれて免疫が落ちていくため、アトピー性皮膚炎は年齢を重ねるにつれて悪くなることもあります。
今できることをコツコツとやりながら、内側からのケア・外側からのケアを続けていきたいと思います。
サイトポイント注射の費用について
アポキルもお薬の中では薬代が高いですが、サイトポイント注射も高い部類に入るかと思います。
サイトポイント注射はこれまで3つの動物病院で打ったことがあり、それぞれの価格はこちら。(サイトポイント30)
- 動物病院1:税込16,500円
- 動物病院2:税込19,800円
- 動物病院3:税込28,600円
今主に通っているのは動物病院2なのですが
動物病院3のサイトポイント注射の価格には驚きました。
2万円くらいかな〜高くても2万数千円かな
と思い予約時に確認などはしなかったので、お会計の時には内心かなり驚いていました。
もちろん、サイトポイント患者が多ければあえて値段を釣り上げることなく提供しやすいでしょうし、少なければ在庫リスクがあるので高くなるでしょう。
特に大型犬のサイトポイント注射というと、そこまで患者数が多いものでもないので、ある程度の価格差は致し方ないのかもしれません。
(といっても、動物病院3は明らかに高すぎ!)
ちなみに、今サイトポイント注射を打ってもらっている動物病院は、近所のかかりつけ医です。
皮膚が悪化した時には皮膚専門医に診せることもありますが、移動の負担があるので月1回の定期注射は近所でしてもらっています。
セナがかかるまでは大型犬のサイトポイント注射患者はいなかった動物病院なので、相談と依頼をしてセナのために入荷をしてくれての価格が税込19,800円です。
最初にサイトポイント注射を打ってもらっていた動物病院1よりも3,000円ほど高いですが、患者数を考えると許容範囲だと思っています。
動物病院は、同じ薬でも病院によって価格が異なるというのは知られていることですが、
ここまでの価格差には驚きました。
動物病院を変えるタイミングなければ気づきにくい薬代の価格差。
動物病院の質や設備を考えた時に薬代が安ければいいということもないのですが、べらぼうに高いのも考えもの。
あれおかしいな?高すぎるかな?と思ったら、他の動物病院をあたってみるのも一つかもしれませんね。
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