【サイトポイントについて】
新しい犬のアトピー性皮膚炎の新薬
[特徴・副作用・アポキルの違いなど]
ゴールデン・レトリーバーセナは1歳9ヶ月の頃から痒み止めのお薬アポキルを服用しており、現在5歳9ヶ月。アポキルを飲み続けて4年が経過しました。(途中で半年ほどやめています)
アポキルに代わるお薬として「サイトポイント」という犬のアトピー性皮膚炎に効く注射が新たに発売されたことを担当獣医師に聞いてから
現在服用しているアポキルではなくて「サイトポイント」を選ぶべきなのかについて考えていました。
どちらがセナの身体にとって良いのかを検討していく過程で担当獣医師から教えてもらったこと、「サイトポイント」について調べたことをこの記事にまとめました。
セナは現在アポキルを服用していることから、「サイトポイント」がどういう薬かというだけでなくアポキルとどう違うのかという点もとても気になる点ですので、記事の中で触れています。
アポキルが日本で発売された時、副作用が少なく痒みを断ち切れるお薬ということでとても注目を集め、獣医師の先生方もアポキルが非常に画期的な薬だと話していました。
では、サイトポイントは?というと
アポキルと同様、もしくはそれを上回る程「サイトポイント」は獣医学で画期的な薬だとされています。
犬のアトピー性皮膚炎治療薬 アポキルから「サイトポイント」へ 【初回注射/最初の1週間の痒み変化】 犬のアトピー性皮膚炎治療薬 アポキルから「サイトポイント」へ 痒みがどう変化するのかの記録です 【初回注射/最初の1週間の変化】 ゴールデン・レトリーバーセナ5歳8ヶ月、アトピー性皮膚炎の新しい治療薬 ...
犬のアトピー性皮膚炎治療薬 アポキルから「サイトポイント」へ 【初回注射/最初の1週間の痒み変化】
基本的に獣医師の話と専門サイトを参照にして書いていますがあくまで一個人の記述となります。見解については様々あると思いますので詳しいことは担当獣医師に確認することをお勧めします。
目次
「サイトポイント」とは
サイトポイント®は、1回の注射で1ヵ月間、犬アトピー性皮膚炎による掻痒や症状を緩和します。(Zoetis)
「サイトポイント」はアポキルと同じゾエティス社が開発した犬のアトピー性皮膚炎の治療薬です。
アメリカでは「サイトポイント」は2016年12月に一般動物病院でも投薬できるようになり、日本ではその3年後の2019年12月に解禁となりました。
犬以外には使用することはできません。
1ヶ月に1回の注射薬です。
「サイトポイント」は抗体医薬の一種で、効果が高く副作用が低いために近年注目されている医薬分野の薬剤です。人の医薬品では様々な抗体医薬が開発されていますが獣医学においても抗体医薬が使えるようになったということで非常に画期的なお薬なんです。
獣医師から聞いた「サイトポイント」の特徴
担当獣医師から「サイトポイント」について伺った点をざっとあげると
- 1ヶ月に1回の注射
- アトピー性皮膚炎の痒みに効く
- アトピー性皮膚炎以外の痒みは全く効かない(例えば食物アレルギーを原因とした痒みなど)
- アポキルとの併用も可能
- 炎症を抑える作用はない
- 免疫抑制がアポキルよりも少ない
- 副作用が少なくて安全性が高い
- 価格は高め
こんな感じです。
ここから、1つずつ「サイトポイント」の特徴について確認していきたいと思います。
「サイトポイント」が効果的な犬
「サイトポイント」はアトピー性皮膚炎の犬にのみ効果のある注射薬です。
言い換えれば、アトピー性皮膚炎の痒み以外には効きません。
これが「サイトポイント」大きな特徴であり、
アポキルと「サイトポイント」との大きな違いの一つでもあります。
痒みの原因 | サイトポイント | アポキル |
---|---|---|
アトピー性皮膚炎による痒み | ◯ | ◯ |
食物アレルギーによる痒み | × | △ |
その他の痒み | × | △ |
それならば、「サイトポイント」はアトピー性皮膚炎の犬すべてに効果があるのかというとそうではないようです。
というのも「サイトポイント」はインターロイキン31( IL31 )という物質に対して有効成分ロキベトマブがアプローチする治療薬なのですが、
犬アトピー性皮膚炎において痒みを引き起こすIL31という物質が関与している症例は7割程度。
そのため、アトピー性皮膚炎の子のうち「サイトポイント」で痒みの低減効果を感じることができるのは7割程度といわれています。
「サイトポイント」と従来医薬品との違い
抗体医薬品(サイトポイント)と従来医薬品の違い
抗体医薬という言葉が出てきましたが、参考までに抗体医薬品と従来の医薬品の違いをゾエティス社オフィシャルサイトより抜粋して掲載しておきます。
従来の医薬品 (低分子医薬品) 例:アポキル | 抗体医薬品 例:サイトポイント | |
---|---|---|
定義 | 低分子量の有機化学物質、 合成化学物質 | ポリクローナル抗体または モノクローナル抗体 |
サイズ | 低分子 | 高分子のタンパク質分子 |
投与経路/投与頻度 | 経口薬を中心に様々 毎日投与することが多い | 主に注射薬 数週から月に1回程度 |
標的 | 細胞内に存在する分子 | 細胞外や細胞表面を標的とする 例)サイトカイン類や細胞表面の分子 |
代謝および排泄 | 肝臓、腎臓における代謝と排泄 | 蛋白異化:通常のタンパク分解経路を 介して排泄される |
サイトポイントはタンパク質の一種
上記の比較表にあるように、「サイトポイント」は従来の医薬品のように化学物質ではなく、タンパク質の一種です。
薬剤の種類は、近年注目されている抗体医薬(モノクローナル抗体医薬)に分類されます。
サイトポイント®は、イヌIL-31のみを標的として特異的に中和するモノクローナル抗体(mAb)※です。(Zoetis)
ロキベトマブの「〜マブ」はモノクローナル抗体製剤の薬剤名に必ずつく語尾です。(オーク動物病院)
有名なところでは2018年に京都大学特別教授・本庶佑さんがノーベル医学・生理学賞を受賞したがん免疫治療薬「オプジーボ」も、サイトポイントと同種に分類されるモノクローナル抗体製剤。
※モノクローナル抗体(mAb:monoclonal antibody):B 細胞の単一細胞系からクローン化された単一の均質な抗体
ここで、「サイトポイント」がどうやって犬のアトピー性皮膚炎の痒みを止めるのか、アポキルと比較して確認してみましょう。
「サイトポイント」の働き[アポキルとの違い]
サイトポイントの有効成分ロキベトマブは、イヌ化抗イヌインターロイキン(IL)-31モノクローナル抗体製剤で、掻痒を誘発する主要なサイトカインであるIL-31を特異的に中和し、痒みサイクルを断ち切ります。
「サイトポイント」はどうやって犬のアトピー性皮膚炎の痒みを止めるのか
専門的な言葉は除いてごくシンプルな言葉で表現すると、下記のようになります。
- アポキル:痒みの信号を断ち切る
- サイトポイント:痒みの信号をだす前段階の受容体に対してアプローチして、信号を出させない
サイトポイントは痒みの信号を出させないように、痒みを誘発する主な物質のIL-31にピンポイントで働きかけています。
アポキルとサイトポイントでは痒みを止める段階が異なり、サイトポイントの方が前段階となります。
「サイトポイント」と他の薬の併用
「サイトポイント」の注射を検討する場合、皮膚の痒みを抑えるためにセナのようにアポキルを飲んでいたり、ステロイドなどを服用していたりする場合が多くあると思います。
「サイトポイント」に切り替える際に休薬期間は必要なく、アポキルやステロイドとの併用も可能としています。
また、「サイトポイント」はアポキルやステロイドに限らず併用してはいけないお薬は定められていないため、皮膚炎以外の治療で投薬している犬にも「サイトポイント」は使えるというのが大きな特徴です。
Q.アポキル®錠や経口コルチコステロイド製剤、経口シクロスポリン製剤などとは併用可能でしょうか?
A.サイトポイント®は、併用薬に関する制限事項はありません。
またサイトポイント®はIL-31を特異的に標的とし、正常な免疫機能に対する影響が最小限に抑えられているため、これらの製剤と併用することによる免疫機能へのリスクを増強する可能性はほとんどないと考えられます。
さらに、外部・内部寄生虫駆除剤、抗菌剤、抗炎症剤及びワクチンを含む他の動物用医薬品をサイトポイント®と併用した臨床試験において、薬物相互作用は認められませんでした。
「サイトポイント」の代謝
「サイトポイント」は抗体医薬品であり培養によって作られるタンパク質からできています。
そのため、「サイトポイント」は一般の化学物質薬剤とは異なり肝臓や腎臓での代謝を受けません。
これは大きな特徴です。
前述で確認した従来の医薬品と抗体医薬の違いの表にも記載がありました。
「サイトポイント」は生物学的治療(免疫療法)に分類され、ステロイドや抗ヒスタミン薬と異なり、化学物質ではないのです。
一般的な薬は服用すると、解毒機能を担う腎臓・肝臓に少なからず負担をかけるといわれていますが
「サイトポイント」は一般的なタンパク質の代謝経路と同じのため、腎臓・肝臓機能への負担軽減ともなります。
また、「サイトポイント」は臓器毒性の報告が今のところないため、腎臓や肝臓に障害や疾患があっても投与することが可能です。
次は、気になる「サイトポイント」の副作用についてです。
「サイトポイント」の副作用と安全性
臨床試験
アトピー性皮膚炎の薬としてよく用いられる「シクロスポリン」と「サイトポイント」を比較した臨床試験結果があります。
有効成分シクロスポリンの薬剤は「アトピカ」がよく知られています
「サイトポイント」にて最もよく認められた副作用は下痢・嘔吐であるものの、「シクロスポリン」を服用したグループよりも発現率が低いことが確認されています。
以下が3ヶ月間の臨床試験結果です。
臨床試験中に認められた副作用(サイトポイントとシクロスポリン)
サイトポイント®群(N=142) 頭数(%) | シクロスポリン群(N=132) 頭数(%) | ||
---|---|---|---|
消化管障害 | 嘔吐 | 22(15.5%) | 49(37.1%) |
下痢 | 19(13.4%) | 47(35.6%) | |
全身的障害 | 元気消失 | 14(9.9%) | 11(8.3%) |
食欲不振 | 7(4.9%) | 5(3.8%) | |
高熱 | 3(2.1%) | 0 | |
皮膚及び付属器障害 | 細菌性皮膚感染症 | 10(7.0%) | 1(0.8%) |
皮膚炎及び湿疹 | 8(5.6%) | 6(4.5%) | |
掻痒 | 6(4.2%) | 9(6.8%) | |
紅斑 | 4(2.8%) | 1(0.8%) | |
脱毛 | 3(2.1%) | 0 | |
耳及び迷路障害 | 外耳炎 | 8(5.6%) | 4(3.0%) |
外耳疾患NOS | 4(2.8%) | 1(0.8%) | |
耳炎NOS | 4(2.8%) | 5(3.8%) | |
筋骨格筋障害 | 跛行 | 3(2.1%) | 1(0.8%) |
臨床試験による副作用の出現結果を見ると、消化器官を中心に副作用が出やすいのかなと感じるところですが
獣医師によると「臨床試験中に見られた症状が全て含まれている」ということを勘案して考えた方がよいそうです。
つまり、サイトポイントが原因かどうかは明確には分からず、例えばサイトポイントの注射のショックや病院の通院、ストレスなどににより、元気がなかったり食欲不振を起こしたり下痢をしたりした場合も、副作用としてカウントされているということです。
臨床試験の条件が詳しくわからないのでその点なんとも言えないのですが、臨床試験3ヶ月の間に、確かに他の事象で嘔吐や下痢、元気消失が起こってもおかしくないな〜とは思います。
また、前述にもありましたが、サイトポイントはアトピー性皮膚炎の犬の7割程度に効果が見られるとされているので、それ以外の3割の犬においては皮膚に関する症状が見られる可能性もあるのかなと解釈しました。(つまりサイトポイントの副作用なのか元の疾患なのか判別が難しい)
アナフィラキシー
臨床試験では、サイトポイント投与直後の過敏性反応(アナフィラキシー反応)は認めらていません。
しかしながら、タンパク質製剤という性質からは0.0001%~0.001%で薬剤に対するアナフィラキシ–反応の発生の可能性があるとされています。
注射部位の反応も臨床試験では認められていません。
「サイトポイント」の長期投与と効果
長期投与の期間について
「サイトポイント」は投与期間に制限は設けられていません。
犬のアトピー性皮膚炎によく使われ副作用が少ないとされるお薬「アポキル」でさえも1年以下の継続使用にするようにという指示があるお薬なので、「サイトポイント」はより安全なお薬なのかなという印象を受けました。
日本でサイトポイントが解禁されたのは2019年12月ですが、アメリカでは2016年からEUでは2017年より使用実績があります。
アポキルはセナが断続的に4年も服用しているように、実際の医療現場では1年以上服用している場合は多々あるようですが、添付文書などには継続使用は1年以下にするようにと指示があります
長期投与による副作用
新薬ということもあり、長期投与の副作用は未知数の部分がありますが
「現時点で短期、長期有害作用報告なし」だそうです。
長期投与に伴う効果の変化
サイトポイントは、抗体医薬です。
そのため、治療薬そのものに対する抗体が体内で生成される可能性が3%程度で報告されているそうです。
つまり、100頭のうち3頭の確率で、長期投与をする中でサイトポイントが効かなくなっていく可能性があるということです。
「サイトポイント」投与後の痒み変化
[初回注射]最初1週間の痒み変化
ヨーロッパで40の動物病院が合同で実施した臨床試験結果によると初回のサイトポイントの注射をしてから痒みが減少するまでは、平均して約1週間かかることがわかっています。
下記の表は、飼い主が評価するVASスコアを用いて痒みの低減推移を表したものです。
飼い主評価によるVAS スコア※推移
臨床試験対象:ヨーロッパ4ヵ国(ベルギー、オランダ、フランス及びドイツ)の40の動物病院より組み入れられた犬アトピー性皮膚炎に罹患している犬(6ヵ月齢以上、体重3〜80kg)
VASスコア:VASは掻痒を測定する尺度のことで、
痒みがない正常な犬から極めて重度の痒みがある犬を0 から100までの数値を用いて評価したもの。(Visual Analog Scale)
サイトポイント投与:1ヶ月に1回
サイトポイントを初めて最初の7日間の変化が大きく、その部分を拡大したのが下記。
最初の数日でグンと痒みの低減が見られています。効果が比較的早く見られるのもサイトポイントの特徴です。
14日目以降
グラフを見るとサイトポイントを投与してから平均して14日程で痒みの落ち着きを見せ、VASスコアは30〜40の程度を示しています。
VASスコアは痒みを0 から100までの数値で飼い主が評価したものですので、多少の痒みはあるがサイトポイントが概ね効いているという状態かなと推測できます。
さらに、サイトポイント初回注射から84日目(約3ヶ月)以降一段と落ち着きを見せVASスコアは20程度まで下がっています。
継続投与することで痒みが低減する傾向があることが伺えます。
「サイトポイント」の注射頻度
サイトポイントの注射頻度は1ヶ月に1回です。
1ヶ月に1回が基本的な頻度として推奨されているものの、担当獣医師によると、効果の切れるタイミングには多少個体差があるそうです。
サイトポイントの注射頻度について言及している動物病院がありましたので、参考までに掲載しておきます。
初めの4カ月間は、1カ月に1回の注射。
それ以降は、約1カ月ごと、あるいは痒みがぶり返して来たら速やかに適宜追加注射を行う。
個体差によって、2~3週間で痒みが再発する子もいれば、反対に1カ月以上もつ子もいます。2カ月あくと痒みがぶり返す可能性があります。
ただ、アトピー性皮膚炎には痒みの増減に季節性があることが多いので、環境アレルゲンの比較的少ない冬季は、注射の間隔を少し延ばせるかもしれません。
「サイトポイント」も「アポキル」も共に、ゾエティス社が開発した医薬品ということもあり、オフィシャルサイトに「サイトポイント」と「アポキル」はどんなケースに適しているのか記載されています。
「サイトポイント」と「アポキル」
サイトポイントが適しているケース
- 持続的で長期的な管理
- 獣医師による治療の主導
- 経口薬の投与が難しい飼い主や犬
- アポキル錠を含む一般的な薬剤との併用の制限なし/併発疾患を持つ犬
- 全ての年齢の犬
治療の結果アトピー性皮膚炎の可能性が高く、長期的なコントロールに変える段階に来ている犬や、薬の併用制限がないことから、他の疾患をもつ犬に適しているといえそうです。
アポキルが適しているケース
- 持続的で長期にわたる痒みの緩和に
- 短期的・長期的いずれもフレキシブルな投与
- NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)、抗菌薬、駆虫薬など一般的な薬剤との併用
- 12ヶ月齢以上の犬
アポキルは1日1回服用のお薬なので、短期的な痒みのコントールとしても使用することができます。また、サイトポイントと異なりアトピー性皮膚炎以外の痒みにも効果が認められています。そのため、痒みの原因究明途中であり痒みのコントロールを短期的に行なっていきたいという場合にも有益です。
注釈
※1 外部内部寄生虫駆除剤、抗菌剤、抗炎症剤およびワクチンを含む他の動物用医薬品と併用した臨床試験において、薬物相互作用は認められませんでした。
※2 用法及び用量:オクラシチニブとして体重1㎏あたり0.4mgを、1日2回、最長14日間経口投与する。さらに継続する場合には1日1回投与する。ただし、投与期間は1年を超えないこと。
※3 ステロイド系抗炎症薬やシクロスポリン等の免疫抑制作用を有する薬剤は、アポキル®錠およびこれらの薬剤の副作用のリスクを増加させる可能性があるため、併用には注意を要します。
「サイトポイント」の費用
「サイトポイント」の注射費用は動物病院によって異なりますが、例えば価格を公開しているオリーブペットクリニックさんでの「サイトポイント」費用は以下です。
「サイトポイント」は体重別に4種類あります。
犬の体重 | サイトポイントの税抜価格 |
---|---|
サイトポイント10 3kg〜10kg | 9,300円 |
サイトポイント20 10.1kg〜20kg | 12,700円 |
サイトポイント30 20.1kg〜30kg | 18,100円 |
サイトポイント40 30,1kg〜40kg | 20,500円 |
「サイトポイント」は3kg未満の体重の犬には使用ができません
実際に、ゴールデン・レトリーバーセナが注射をうけたのは「サイトポイント30」です。
サイトポイントの価格は税抜で15,000円でした。
大型犬ですと30kgを超える子も多いでしょうから、そうするとさらに数千円費用があがります。
サイトポイントの注射費用は安くはないですが、これまで服用していたアポキルも安くないお薬でしたのでそれを考えると、大きく費用が増えたわけではありません。
安全性と効果には引きかえられませんよね。
「サイトポイント」まとめと痒み経過
抗体医薬が獣医の現場で使えるってすごい!
抗体医薬など専門的な話は難しいですが、セナにより良い選択をする上で、担当獣医師に不明な点や疑問点を伺うためにも詳しくサイトポイントについて調べました。
担当獣医師からの話、そしてこうして「サイトポイント」について詳しく調べていると、画期的な薬であることをひしひしと感じてきます。
アポキルが使用開始された時も画期的な薬とされましたが、「サイトポイント」は抗体医薬という医療分野なのが獣医学の進歩を感じます。
ちなみに、獣医療で抗体医薬が最初に発売されたのは2010年頃で犬のリンパ腫治療の抗体医薬品が2種類(Blontress,Tactress)、Aratana社というベンチャー企業から発売されています。
しかし、この2種類の抗体医薬は実質的には学会レベル止まりになっていたようで実際の臨床現場ではあまり使われなかったようです。というのも、効果があまり認められなかったのだとか。今ではAratana社もこの2種類のリンパ腫治療薬の効果が高くないことを認めているそうです。
つまり!
サイトポイントは実質的に獣医学で、効果があると認められた最初の抗体医薬というわけです。
アポキルからサイトポイントへ
この記事を公開した本日時点では、初回サイトポイント注射から3週間経過しています。
アポキルは1回も服用していません。
痒みが全くないわけではないし、これまでアポキルで抑えられていたであろう箇所の炎症が出てきている部分もあります。
とはいえ、全体的にアポキルよりも痒みが落ち着いている印象です。
つまり、初回サイトポイント注射から3週間時点での判断にはなりますが、この記事でも触れたように「サイトポイント」はアトピー性皮膚炎の痒みにしか効かないことから考えると、セナの痒みのベースにはアトピー性皮膚炎があると言えるのでしょう。
最初の1週間の痒み変化については下記の記事に書いています。
犬のアトピー性皮膚炎治療薬 アポキルから「サイトポイント」へ 【初回注射/最初の1週間の痒み変化】 犬のアトピー性皮膚炎治療薬 アポキルから「サイトポイント」へ 痒みがどう変化するのかの記録です 【初回注射/最初の1週間の変化】 ゴールデン・レトリーバーセナ5歳8ヶ月、アトピー性皮膚炎の新しい治療薬 ...
犬のアトピー性皮膚炎治療薬 アポキルから「サイトポイント」へ 【初回注射/最初の1週間の痒み変化】
まだ「サイトポイント」は初回注射なのでその後の痒み変化についても、成長記録か別記事にて記録をしておきたいと思います。