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内視鏡検査の検討とセカンドオピニオン[犬のIBD]

セカンドオピニオンと内視鏡検査の検討[犬のIBD]

ゴールデン・レトリーバーセナ

犬のIBD(炎症性腸疾患)の可能性が高いといわれ

抗生物質を飲むことでしか下痢や血便・嘔吐の症状に対処できていない状態に

いてもたってもいられず

また、このままだと悪化の一歩を辿ることをひしひしと感じ

セカンドオピニオンを求めることにしました。

 

また、IBD(炎症性腸疾患)の確定診断をするための内視鏡検査も検討しており

その点についても併せて相談することにしました。

 

 
 

IBDの疑いと内視鏡検査

獣医師はセナがIBD(炎症性腸疾患)だと思っておりそのためIBDを前提として治療が進んでいっていたため

「これから先IBDとどうやって付き合っていったらいいのだろうか」

という思いと

「まだIBD(炎症性腸疾患)と決まったわけではない。抗生物質を長期服用する他に治療方法はないのか」

という思いのはざまにいました。

 

IBD(炎症性腸疾患)か否かを確定診断するために

全身麻酔をする内視鏡検査にふみ切ったほうがいいのかどうか迷っていました。

犬の内視鏡検査Riverview Animal Hospital

こうしてセカンドオピニオンの動物病院へ。

内視鏡検査の相談

下痢や血便を繰り返していることや抗生物質を長期服用していたこと

IBD(炎症性腸疾患)の可能性が高いと診断されたことなど治療履歴をできる限りお伝えしました。(紙に書いて用意していきました)

 

そのうえで内視鏡検査についてお聞きしたところ、獣医師の回答はこうでした。

 

「内視鏡検査なんてしなくていい」

「全身麻酔かけるんですよ。

動物の身体に更に負担かけて内視鏡検査して、散財もして、でもやれること(治療方法)はほとんど変わらないんです。

だから、薬が効いているのかどうかでIBD(炎症性腸疾患)かどうか診断していけばいい話。

内視鏡検査をするっていうのは人側の問題だから。」

 

セカンドオピニオン先の獣医師は内視鏡検査の必要性は否定していました。

内視鏡検査の必要性をここまで否定するとは思っておらず

まさかの回答にちょっと驚きながらも

治療方法が変わらないのに動物の身体に更に負担をかけるなんて

という言葉でハッとさせられました。

 

つまり

  • まだ試す治療方法はある
  • 全身麻酔の負担を考慮した

というから内視鏡検査はすべきではないという判断でした。

 

IBD治療とステロイド

治療方法について

ステロイドは飲んでないの?

と聞かれました。

 

3歳10ヶ月から3ヶ月間以上続くお腹の不調に飲んできた薬は抗生物質でした。

 

かかりつけの動物病院の獣医師は

今からステロイドを飲んでいたら今後飲ませる薬がなくなる

という考えのもとでの抗生物質の処方をしていると伺っていたので

セカンドオピニオン先の獣医師にそのままお伝えしました。

 

そして、セカンドオピニオン先の獣医師の回答はこうでした。

ステロイド今飲ませないでどうするの?

いま体調が悪いのに、ちょっとまって

もう少し後でっておかしくない?

人だって今お腹がいたいのに

よく効く薬はもう少ししてから出しますね。って言われたどう?

おかしいでしょ?

しかも抗生物質をそんなに飲んだら腸内細菌を殺すし

抗生物質で下痢をする子だっているんだよ。

この治療方法はちょっと理解できないな。

 

獣医師でこうまでも意見や治療方針が違うのかと思うと同時に納得する部分も多くありました。

 

治療方針の違い

かかりつけの獣医師とセカンドオピニオン先の獣医師では

「病気としてみているか、いち症状としてみているか」

の違いなのかなと思いながら・・・

 

IBD(炎症性腸疾患)かどうかが大事なのではなくていま出来ることをまずやることが大事だと。

確かにそうです。

 

でも

もし本当にIBD(炎症性腸疾患)だとしたら

長期的にみた時の治療法の組み立てが大事なのも分かります。

 

セナは皮膚炎の初期治療で苦労した経験があります。

その場限りの診断により様々な抗生物質を服用し、多くの抗生物質が効かない耐性菌がでてしまい治療に苦労しました。

だからこそ「いま出来ることをまずやること」の短期的治療の積み重ねの怖さも経験しています。

 

そこは、獣医師の腕にかかっているのでしょうね。

良い獣医師であれば短期的治療をしながら

それがどう長期的に影響を及ぼしていくのか判断できるのだと思います。

(だから動物病院選びは本当に大事と常々痛感しています)

 

こうして、IBD(炎症性腸疾患)の治療方法についてセカンドオピニオンを求めて

伺った動物病院では内視鏡検査は必要ないという判断が下されました。

全身麻酔そのものの身体への負担はある程度承知していて、出来るだけそのような負担はかけたくないと思っていました。しかし自分たちが考えていたよりずっと動物にとっての全身麻酔は身体へ負担があることを改めて知りました。だからこそ、しなくていい検査はするべきではない、という考えに賛同して内視鏡検査は本当に必要だと判断されてからすることに決めました。

そしてお薬は抗生物質ではない内服薬が処方されました。

 

 
 

お薬の処方

処方されたお薬は2種類です。(体重27kg)

  • プレドニン5mg
  • サラゾピリン500mg

サラゾピリンとプレドニン

プレドニン5mg

ステロイド。
1回1錠1日2回 7日分。
1,400円。

サラゾピリン500mg

大腸炎の薬。
1回1錠1日2回 7日分。
2,100円。

サラゾピリン500mgの概要
薬名サラゾピリン500mg
一般名サラゾスルファピリジン錠
有効成分サラゾスルファピリジン 500 mg
適応症潰瘍性大腸炎、限局性腸炎、非特異性大腸炎
効果効能腸などの炎症を抑え、腹痛、下痢、下血などの症状を改善する
慎重投与血液障害のある患者・肝障害のある患者・腎障害のある患者・気管支喘息のある患者など
副作用貧血、葉酸欠乏、血小板減少、過敏症、腫脹、AST上昇、GOT上昇、ALT上昇、GPT上昇、顆粒球減少、白血球減少、免疫グロブリン減少、尿路結石、浮腫
参考添付文書

サラゾピリンは人の潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患によく処方される薬です。一方で、副作用や注意点も多く添付文書内では「必ず血液学的検査(白血球分画を含む血液像)、 肝機能検査及び腎機能検査を実施すること」と注意書きがされています。

セナも血液検査を実施しました。血液検査では明らかな異常所見なしでした。4歳1ヶ月時点の血液検査の結果は後日アップします

 

薬の服用と薬をやめたあと

こうして抗生物質ではなく

ステロイドと大腸炎の薬サラゾピリンを服用することになりました。

「抗生物質はやめていいから代わりに飲んで」と処方されました。

 

お薬を減らした後

処方されている薬を飲んでいる間は下痢・嘔吐をしませんでした。

ウンチは形になっているものの普段とは異なり黒っぽいのが気になりました。

健康的なウンチという感じではなく、薬の影響を受けているんだなと感じる状態です。

 

その後、ステロイドとサラゾピリンの服用量を減らしていきました。

 

しかし、薬をやめて数日したらまた下痢・血便になってしまったんです。

またです。

やっぱり薬がないと下痢・血便をする状態になってしまっている・・・。

 

抗生物質でもステロイドでも大腸炎の薬でも一時的に炎症なりを抑えているだけで

身体の中は何も変わっていないこと何も治っていないことを思い知らされました。

 

かかりつけの獣医師がいっていたように

結局薬がないと症状が抑えられないIBD(炎症性腸疾患)なのか。

 

このまま抗生物質やステロイド、大腸炎の薬を飲み続けないといけないのか。

まさに藁にもすがる思いで最後の望みを託して漢方クリニックに予約をいれました。

 

薬をやめて数日したら下痢に逆戻りしてしまったわけですが、漢方クリニックの予約は少し先しか取ることができず、その間はこれまでの処方された抗生物質を飲ませるほか、下痢止めの「ディアバスター」を使い漢方クリニック受診までの間をつなぎました。ディアバスターは丸4日飲んだあたりで効果が出始め下痢が止まりました。その時にちょうど漢方クリニックを受診することができました。

 


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