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【はじめての鍼治療】「初回鍼治療後の身体の変化」と「中医学診察でわかった身体の状態」[7歳6ヶ月]

初めての鍼治療ゴールデン・レトリーバーセナ7歳6ヶ月

ゴールデン・レトリーバーセナ7歳6ヶ月、7月のとある日初めて鍼治療を受けました。

鍼治療受診のきっかけは歯の破折手術の準備として。

少しでも体調を整えて手術の日に臨みたいと出来ることを探していました。

そこで鍼治療を受けることにしました。

鍼治療前の中医学診察

 
 

舌診

鍼治療も同動物病院も初めて通うところ。

最初の動物病院って先生どんな感じかなー?とか色々思います。

こちらの先生は優しく、セナのペースを尊重してくれる先生という印象。

まずはセナの身体を触ったり、舌の診察をしました。

そして舌診ではセナの舌は赤紫といわれました。

その時の舌の状態がこちら。

鍼治療前の舌診

鍼治療での舌診1回目(赤紫)
鍼治療での舌診1回目(赤紫)

セナの舌が赤紫....

そんな風に思ったことなかったのですが、病院内に貼ってある舌診のチャートを見たら確かに健康体の子の舌より赤みや紫度合いが強かったんです。

赤紫の舌からわかること

赤紫の舌が示していることを簡単に書くと

  • 紫→水・血・気などの流れが悪い
  • 赤→熱がこもっている

という身体の状態を示しているそう。

瘀血(おけつ)のサイン

瘀血とは中医学で血の滞りを示していますが、赤紫色の舌からも瘀血の状態が見てとれるとともに、

セナの舌の黒いシミも瘀血のサインだそう。

以前記事にも書いた舌の黒いシミ。(舌斑ぜっぱん)

ゴールデン・レトリーバーセナ3歳7ヶ月
3歳、舌に黒いシミができました。

3歳、舌に黒いシミができました。 ゴールデン・レトリーバーセナ3歳4ヶ月 ゴールデン・レトリーバーセナが3歳を迎えて少し過ぎ、2018年3月下旬頃に気づいたセナの舌の変化。 ん、舌に黒い点がある・・・ ...

当時、舌にいきなり黒い点が表れたので何か悪いものかと心配したのですが、レトリバーなどによくあるシミで特に問題にはならなかったものです。

シミはシミに違いないものの、「舌の黒いシミは血が滞っているサイン」といわれてそうだったの!?とまさに目から鱗でした。

一般的な西洋診療にはない東洋医学的な見解です。

ドクターに

獣医師見解
この舌のシミができた頃にアレルギーとか身体の変化なかったですか?

と言われました。

舌に黒いシミができた3歳3ヶ月のセナの成長記録を見返してみて、下痢・嘔吐でお腹の不調を抱えていた時期だったことはわかりました。

ゴールデン・レトリーバーセナ3歳2ヶ月
気温差に弱いお腹。嘔吐・下痢の多い春[2018年3月]G's Family ゴールデン・レトリーバー セナ 成長の記録【 3歳 3ヶ月 】

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お腹の不調はそれ以前から抱えており

皮膚炎やアレルギーについても1歳の頃から治療を続けていましたのでこの頃に特別症状が出たという記憶や記録はないのですが、調子が良いとは言えない時期でした。

舌のシミ

大型犬と接することが多いからかもしれませんが、舌の黒いシミって小型犬より大型犬で見るような気がしてました。

(小型犬の子と接しても口の中や舌って意識的にみようとしないとほとんど見えない....)

ドクター曰く、小型犬でも舌に黒いシミが出ることがある様ですが、大型犬の子の方が多いそうです。

小型犬はどちらかといえば血の滞りというよりも血が足りない傾向の子の方が多いので、血の滞りの一つのサインともいえる黒いシミは少ないのではないか、とのことでした。

特にレトリバーなどは舌のシミはある子も多いです。西洋医学的見解と東洋医学見解、それぞれのドクターの見解があり、1つの見解として捉えてもらえればいいのかと思います。

全身の診察

舌の状態のほか全身状態を見てもらい、問診をした中でのセナの状態です。

  • 水・血・気の流れが悪い
  • 触ったときに腰周辺が硬い
  • 舌のシミの位置からして身体の右側が弱い
  • お腹は血や気の工場
  • お腹が弱い子は大体冷えてる
  • 冷えは体質が大きい
  • 水の排出が不得意

冷えは体質が大きいようで、お腹は血や気の工場だから冷えてしまうとそこから充分な血や気が作り出されず諸々に不調が出てしまう。

さらに水の排出も不得意。

ゴールデンレトリバーなどの茶色毛の子たちは、胃腸機能が弱い犬が多いそうです。

被毛の毛色によって弱い箇所に傾向があり

赤毛:心臓系が弱い、黒毛:腎臓系が弱い

という傾向もあるそうです。

 
 

はじめての鍼治療

さて、問診・舌診を含めた診察が終わったところで初めての鍼!

初めての鍼ということもあって

セナはじっとしてられるのかな?

痛くないかな?

などと思っていました。

看護師さんがおもちゃを持ってきてセナの気を引いたりしてくれて、優しいクリニックだな〜とちょっと感動。

初めての鍼治療1回目
肩甲骨の間あたり「気のツボ」

多くの場合病院にかかっていると犬にじっとしていて欲しい時、看護師さんが犬を押さえつけるというか押さえ込むことが多かったりすると思いますが、気を逸らすという方法をとってくれるとわんこに優しいですよね。

東洋医学診療なだけあります。

緊張すると筋肉も強ばりますし、リラックスしている方がいいでしょう。

最初に刺した箇所は肩甲骨の真ん中あたり、「気のツボ」だそうです。

最初に刺した「気のツボ」について調べたところ、おそらく「大椎(だいつい)」というツボ。

鍼治療の最初に一本目にここに鍼を入れて全体の気の流れにまずは刺激を与え整えるそう。

初めての鍼治療1回目

気のツボに刺した後、背中にも鍼を刺していきます。

多くは背骨を中心にして両側に対をなしてツボがあるそうです。

初めての鍼治療1回目

「気のツボ」を含めて肺のあたりに3本。

背中に2対×3、お尻の方尻尾の近くに中心1本。

初日に打った鍼はこのくらいだったと思います。

時間にして10分。

セナの反応

鍼治療初めてのセナの反応はというと、刺された瞬間にビクッと驚いて動いたりしていました。

特にコリがあるところに鍼をさすとやはり痛いようで、鈍痛を感じていたのではないかと思います。

瘀血(血の滞り)を示すというセナの舌の黒いシミは、舌の右側によっているのでおそらく身体の右側に痛みが強いのでは?と鍼治療を始める前にドクターが見立てをしていた通りで

肺のところや胃のところなど、背骨を中心に右側に鍼を刺したときによりビクッと反応していました。

初めての鍼治療ということもあり、痛みもあったでしょう

鍼治療の時間は10分程度でしたが流石に初回からじっとしているなんてことはありませんでした。

初めての鍼治療から帰宅
はじめての鍼治療からの帰路

それでも初めての鍼治療、頑張ったよ!

はじめての鍼治療 「感想と翌日の変化」

獣医師見解
鍼治療の当日はもしかしたら疲れてよく寝るかもしれません

鍼治療で血が巡ると同時に老廃物も流れることで、疲れを感じるそう。

人でもマッサージなどの後血流が良くなってだるくなることありますよね。

セナは当日夜よく寝ていましたが、特別にだるそうとかぐったりしているという感じはありませんでした。

鍼翌日の変化

鍼治療前の1週間を振り返ると、朝に下痢もしくは軟便を2回することが多い状態でした。

毎年夏になると悩まされていた朝の下痢。

それが鍼治療の翌朝、軟便も下痢もしなかったんです。(うんちなし)

まずこれが最初の驚き。

続いていた朝の下痢がない!

午後、自宅でプールをした時にやや黒っぽいウンチを2回。

1回目は形はあるけどやや軟便。2回目はゆるゆるウンチ。

初めての鍼治療の翌日
歯科手術後はゆっくり過ごすことになるだろうと
プールしようか!と術前1週間ほど前に
 
 

鍼翌々日の変化

そして鍼治療の翌々日の朝、しっかりとしたウンチをしたんですー!!しかも1回!

夕方も形のあるウンチをして1日を通してほぼパーフェクト。

これには驚きました。

6月頃から朝の下痢が始まって、それからというもの朝に良いウンチをするなんてほぼなかったんです。

良いウンチをしたと思っても2回目はゆるいの出してしまうとか。

これは「鍼のおかげだよね...?」とまだ半信半疑の気持ちがありつつ、鍼治療前後のことを考えても鍼以外に考えられない!

という状況でした。

思わぬ鍼治療の効果

冒頭に書いたように鍼治療をやろうと思ったのは手術に備えて少しでも身体を整えるためでした。

中でも呼吸系の疾患を緩和できればという期待がありました。

鍼治療でお腹が良くなるなんて考えてなくて、だからまさかの効果に驚きと嬉しさと。

これだ!

セナの体調を上向きにするきっかけになるのではとまずは続けようと即決し、すぐに次の予約のために予定を調整しました。

こうして初めての鍼治療は終了しました。

鍼治療を受けた理由

カーロリゾート那須高原ヴォルペのドッグラン

鍼治療を受けた理由は冒頭にも書いたように歯の破折を治療するための手術準備の一環でした。

鍼治療で免疫アップや身体が整うことへの期待

具体的なところでいうと

手術に備えて呼吸器系の不調を減らす目的がありました。

6歳春に詰まるような呼吸が出るようになり(6歳春の成長記録)、詳しい検査を受けたりしましたが

病名や疾患がはっきりとあったわけではありません。

この呼吸の症状は発症した当初が最も酷く、その後少しずつ発症頻度も落ちていました。

それでも、調子が悪い時や身体に負担がかかっているであろう時に呼吸器系に不調がでやすいという状態だけは確実にありました。

この呼吸器系の不調については西洋医学で治療ができるものではなかったので、

東洋医学のドクターにも相談をしたりホリスティック医療の方のアドバイスを参考にし、心臓ケアや脱水ケアを続けてきました。

手術にあたって心配していたことの1つは、病院内のケージで過ごす時間。

この呼吸症状が出た時はいつも背中をマッサージしてあげていて、セナもこの症状がでると辛いようで「ママ〜」と背中を預けてくるんです。

手術までの待機時間は私たちの目の届かないところに行くわけなので、もしこの症状が出ても何もしてあげられません。

セナも不安になるだろうし、どうしたらいいか分からず何よりその状況が辛いはずです。

その症状が出たら対処できるようにと、もちろん歯科手術を担当するドクターにも相談しました。

でも「疾患じゃないなら」というスタンスで全く聞く耳を持ってもらえませんでした。

そういうことじゃないんだけど....でも西洋医学的に割り切ってしまうとそうなる。

病院変えようかとも考えました。

ただ、歯科治療手術の選択肢も限られており、歯科治療はそれはそれで技術のいる手術なので病院を変えるのもまた難しいことでした。

結果、その呼吸症状をどうにかして手術当日に出さないように最大限努力するしかないと。

慣れない環境や絶食などで負荷がかかるであろうその日、つまり呼吸症状が出やすくなるであろうその日を乗り越えるために始めたのが鍼治療でした。

整体と鍼治療

本当は手術前に、鍼治療ではなくて整体にかかろうと思っていました。

整体で呼吸器系の不調が良くなったというケースを知って、同じような状態だから期待できるかも、と。

それに背中をマッサージして症状が収まることを考えると、身体のコリがほぐれたり、歪みが矯正されれば症状の改善につながるのではないかと考えました。

ただ自分でやるマッサージでは足りない感じで、もう少し踏み込んだケアがしたかったんです。

でもその犬の整体の予約が取れなくて、出張依頼も考えて問い合わせたのですがそれも半年先になるということで

手術までに整体を受けるのは現実的ではなくなっていました。

そこで手術までに出来ることを探していてたどり着いたのが鍼治療でした。

鍼治療の記事について

現在、鍼治療の経過は「セナの月別成長記録」に書いています。

初めて鍼治療について触れているのは7歳7ヶ月の成長記録です。

鍼治療では学ぶことも多いので別途記事にするか、成長記録にするか現在検討中で、その時々になるかもしれません。


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