ゴールデン・レトリーバーセナ7歳に実際に作った秋の手作りごはんの記事です。
9月は暑い夏が少しずつ秋に変わっていき、涼しい秋の空気に変わった10月。
そして紅葉も始まりすっかり秋らくしなった11月。
今年は残暑が長引かず涼しい空気に変わるのが早かった印象です。
初秋なのに冬のように冷え込む日もありました。
涼しくて過ごしやすい反面、季節の変わり目で体調を崩しやすくもある秋。
そして夏の疲れを癒しながら、
「肺を潤し身体を温め抵抗力をつけ、冬への準備」をするのが薬膳的な秋の考え方。
今年は夏以降例年よりもセナのお腹の調子が安定しているので、季節の変わり目を乗り越えるために
秋を意識して作った「秋の手作りごはん」について書いてきたいと思います。
秋の手作りごはんの材料
お野菜
秋のとある日の手作りごはんに入れた「お野菜」。
今回の手作りごはんは「秋の手作りごはん」というテーマで書いているので
季節を意識できるように手作りごはんに使った野菜の旬の時期を書き添えました。
- 人参 (4月〜7月・11月〜12月)
- 大根 (11月〜3月)
- 青梗菜 (9月〜1月)
- ブロッコリー (11月〜3月)
- バナナ(7月〜9月)
- さつまいも(9月〜11月)
- 梨(9月〜11月)
(例えば青梗菜の旬は春・秋とされていますが)中でも最も旬とされる季節を記載しました。
旬の時期について参考にしたのは「薬膳&漢方の食材事典」です。
秋を意識していれた野菜
秋を意識して手作りごはんに入れたお野菜は、さつまいもと梨。
さつまいも (平性)
「さつまいも」は、自然の甘さがあり胃腸の働きを高めて気を補う食材。(健脾・補気)
さつまいもは気を補うので術後や疲れ気味の時も最適。
夏の疲れが出やすい秋に、と思い入れました。
ただ食物繊維が豊富なためセナには消化の負担になるのでほんの少しだけ。
腹部にガスが溜まりやすい時には避けています。
梨 (涼性)
「梨」は肺を潤す食材。
秋になり痰が少し増えてきたので入れました。
通年出回る野菜が多い中、梨は秋だけの果物なので
「季節の食材を取り入れて季節の変わり目を乗り越える」ということを意識して取り入れました。
梨もセナごはんに多く入れると下痢してしまうのでほんの少しだけ。
秋は段々と湿度が下がって乾燥もしてくる季節です。
空気が乾燥すると肺に負担がかかり、痰が絡みやすくなる一因になります。
梨には「水分を生じさせ肺を潤す」「咳を止めたり痰を出しやすくしたりする」「余分な熱を下げる」という薬膳的効果があるとされています。
セナが最初に痰が絡み始めたのが5歳の5月頃と暖かくなる時期でしたが、7歳は夏に痰が絡むことが少なく秋の時期に痰が出てきました。
咳止めとして中国の民間療法で昔から梨のシロップ煮があるそうです。➤ 通年作れる「はちみつ大根で咳止め・痰切り」
お肉
秋のとある日の手作りごはんに入れた「お肉」。
- 豚もも肉
- ラムのハツ
豚肉(平性)
基本のお肉は夏から引き続き豚肉。
薬膳では豚肉は平性の肉とされており、身体を温めるわけでも冷やすわけでもないフラットな性質のお肉なのであげやすいお肉です。
また、豚肉は薬膳では「体を潤す作用」があるとされているので、乾燥が進む秋にもぴったり。
7歳夏前まではお腹の調子維持のために、通年を通してより消化しやすい鶏肉を食事のベースにすることが多かったのですが、中医学治療のかいもあってお腹が比較的安定していた7歳の夏は豚肉をメインにしました。
夏前頃からセナにあげても良いなと思える豚肉が定期的に買えるようになったことも、今年の夏に豚肉ベースの食事にすることができた1つの理由です。
豚肉は夏バテ防止にもよく、秋は身体を潤すためにもよいので、引き続きセナの手作りごはんのベースにしていきたいお肉です。
ラム(熱性)
この時急に涼しくなったこともあり、身体を温めるラムのハツを入れました。
ラムは温める作用が強いので、夏にはほとんどあげませんでした。
「同物同治(どうぶつどうち)」を意識して時々ハツ(心臓)を入れています。
食事量
お肉の量
7歳10ヶ月のセナの体重は30kg。
今あげているお肉量は1回の食事で250g(加熱後)です。
これを1日3回。
1食250gを最低ラインとしていて、これだけだとセナは痩せるのでここにある程度プラスしてあげています。
ある程度というのは曖昧な表現なのですが、日々のセナの調子や体格、運動量などで調整している感じで
朝昼は基本の食事だけだったり、夜には一緒にお魚を焼いたり牛肉を追加で焼いたりして調整しています。
お腹の調子も良く運動も通常のようにできるときは、プラスする量としてはざっと2割くらいでしょうか。
お野菜の量
お野菜の重さは測っていません。
お野菜は種類で重さが変わるので、かさで決めてます。
お野菜の量がどのくらいが適切か?についてはその子その子で違うだろうな、と個人的に思いますが
目安として犬の手作りごはん書籍の「愛犬のための症状・目的別栄養事典」では穀物:肉:野菜= 1:1:1を基本に推奨しており
また、以前漢方の先生に下痢の時に食事指導をしてもらった時も肉と野菜は肉:野菜= 1:1を目安にとアドバイスがありました。
セナは穀物アレルギーがあるので穀物はあげていません。
➤「アレルギー検査の結果(IgE)」
➤「アレルギー検査の結果(リンパ球)」
今のセナは、肉:野菜= 1:1より野菜は少なめ。
食物繊維が多いと軟便になるので、
うんちが緩い時は食物繊維を減らしたり
ねっとり系のうんちの時はお野菜を少し増やしたりと調整しています。
秋のお魚「秋鮭」
例えばメインの食事にプラスしてあげるお魚、秋に旬を迎える「鮭」。
秋鮭(温性)
鮭は温性のお魚。
気のエネルギーを補う「補気」の作用があるので、疲れ気味や季節の変わり目にぴったりのお魚。
気と同時に血も補い、胃腸を温める作用、巡りをよくする作用などもあるとされています。
・胃腸を温め元気にする
・血を補って巡りを良くする
・気を補って巡りを良くする
・余分な湿を取り除く
鮭の旬は秋とされており、秋鮭は産卵のために生まれた川に戻ってきた鮭のことで、卵のために魚の脂肪分が使われているため脂も控えめとなっており犬にもあげやすいです。
栄養価的には鮭に含まれる赤い色素の「アスタキサンチン」に活性酸素を除去する強力な抗酸化作用があるため、老化防止・よく動いた後・疲れ気味の時などに最適です。(鮭は分類的には白身魚)
さらに巡りをよくする作用から関節痛などにも良いとされています。
鮭は消化に優しい食材なので、調子が落ち気味の時にもあげやすいです。
スーパーで買うことが常だったのですがタイミングよく買えないこともあるので、「無塩・秋鮭・骨なし(冷凍)」を探してこの秋は購入!便利!
手作りごはん完成!
セナのメインごはんのお野菜は消化負担を減らすためにミキサーにかけて全てペースト状にしてからあげます。
その時々でハーブなどを少しプラスします。
この時の手作りごはんに入れたハーブは以下の5種類です。
- ネトル(排泄促進・循環促進)
- ターメリック(疲れ・抗酸化)
- ローズヒップ(疲れ・抗酸化・機能円滑化)
- スリッパリーエルム(腸内保護)
- アルファアルファ(ミネラル補給)
最後にプロバイオティクスと塩をひとつまみ入れたらセナごはんの完成です。
さてさて、ごはんが出来ましたのでセナを呼びましたよ!
ハーブやお野菜が入っていないお肉は別のプレートでとってあります〜!
メインごはんは必要なものをとってもらう感じで、別盛りのプレートはセナのおたのしみごはん。
ごはんはセナの大事な大事な楽しみの時間。
「大型犬の秋の手作りごはん」まとめ
季節の食材を取り入れることは、愛犬がより良い状態で季節の変わり目を乗り越えるために手軽に自宅でできることの1つです。
その季節に育つ野菜にはその季節を乗り越える力がある。
旬の食材にはその時期に必要な栄養素が豊富に含まれている。
お腹の弱い子の季節ごはん
セナは今7歳。
小さい頃からずーっとお腹で苦労していて季節のお野菜を取り入れることは、ほとんど出来ませんでした。
鍼治療のドクターと季節の変わり目と季節の食材について話をしていた時
「これまで季節の野菜とか入れてあげられなかった、本当にお腹に優しい野菜しかあげられないし、消化できなくて」そんな話をしたら
と。
7歳の今年は中医学治療のかいあって例年よりもお腹が安定しているので、この秋は梨をごはんに時々入れてあげることができました。
今までも梨を少しごはんに入れたことはありますが、ごくごくたまにのことでした。
健康な胃腸があってこそ
胃腸が弱くてお腹の調子を崩しやすいと
ドクターの話や書籍・ネット・他の方のわんちゃんのごはん例などで、「〇〇の症状には〇〇の食材がいい」という情報があっても
その実践まで辿り着かない。
季節や症状に合う食材を試してみたくても「セナにあげられるのかな?消化できるのかな?」が先にきます。
消化できないといくら栄養価の高い食材や旬の食材も身になりません。
しかも身にならないどころか消化の負担になって、またお腹の調子を崩してしまうこともある....
「わんこの手作りごはんに季節の野菜を取り入れる」といっても順番があって、まずは消化できるための胃腸が整えることが先。
ごはんを変えるだけで胃腸の健康が取り戻せる子もいますが
お腹が弱い子にとって「消化できるための胃腸を整える」という取り組みは途方もないことに思えます。
秋もいろいろ
秋は暖かい日もあれば涼しい日もあって、冬みたいに冷え込む日もあります。
なので、今回記事にまとめた秋の手作りごはんはほんの一例です。
まだ初秋の頃は夏の疲れが残っているだろうと、梅干しを入れたりしていました。
冷え込んできた時には身体を冷やす食材を少なくしたりと。
ただセナ7歳の今年は夏の終わりから秋口までニオイやハーブ系の食材、梅干しやビネガーなどの酸っぱい系の食材により敏感になったこともあり
これらの食材を外してシンプルなごはんを心がけていました。
どうしても入れたい時だけ一番食欲のある夜ご飯にほんのすこーし入れたりもしてました。
無理のないワンコ薬膳ごはん
季節の食材を取り入れられない時も多いですが、比較的お腹が落ち着いている時は今回のように旬の食材を意識したり、
消化できるものの中で選んでみたりとしています。
あとセナの好みも考慮して!
特に胃腸が健康な子は季節の食材を意識しやすいですし
手作りごはんをしていなくてもちょっとおやつで取り入れたりすることも可能。
食材の性質を意識して入れてあげれば、それが犬の手作りごはんの簡単薬膳。
1年前の6歳秋を振り返ってみると(6歳秋の成長記録)、夏に3ヶ月断続的に続いた下痢で体重が落ちていて(27kg)、秋ごはんであるとか季節のものを取り入れることはほとんど出来ませんでした。
7歳の今年は夏以降30kg程度をしっかりキープ出来ています。
これからもセナにとって無理のない簡単薬膳を続けていきたいと思います。
実際のごはん作りの際には、食材の薬膳的効能について以下の書籍などを活用してます。
「愛犬のためのホリスティック食材事典」
(↑こちらは犬に特化しているのであげていい食材・そうでない食材なども分かります)
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